Small Things

感じたこと、考えたこと

正月明けの居酒屋一人飲み

正月が明け、居酒屋も営業を開始した。

居酒屋やバーは年末から正月にかけて休みを取る。最近は元日だけ休む店もあるが、一週間以上長く休みをとる店もある。それぞれの居酒屋に通う常連達は12月に入ると、その事がもう気が気じゃない。いつから休むんだ、新年はいつからなんだ、一体俺たちはどこで飲めばいいんだ、どうすればいいのだ、と自分中心の行動計画を練らざるを得ないことになる。

そして年が明け、正月休みは「あそこも休みだし、あっちも休みだしな...」と独り言をつぶやき、家で箱根の駅伝を見ながらおせちをつまみ酒を飲む。でも一年のなかで正月だけが朝から酒を飲むことが許されているため、普段は飲めないような少しだけ高い酒を開けたりして、でもがぶがぶ飲まずにちびちびやるのが正月の楽しみだったりする。

正月が明け仕事始めの日ぐらいから居酒屋もバーも営業を開始する。ただそれだけの事なのに、なんだかちょっとわくわくする。ちょっと嬉しくなる。なぜかとても長い間、店が休業していた錯覚に陥るが、実際は数日間休んだだけなのにとても懐かしく感じる。いつものように店に行き「今年もよろしくお願いします」という新年のあいさつから、また居酒屋での一人飲みが始まっていく。

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お通しは数の子。お通しや突き出しの要・不要論はあるのかもしれないが、毎回しっかりと作られたお通しはとても楽しみだ。そして最初に瓶ビールを飲みながら「今日のおすすめ」を眺め、今日はどうやって攻めていくか、どういうメニュー構成にしていくかをじっくりと考える。昔の侍は「酒。肴はみつくろってくれ」と言ったそうだが、このお通しをつまむ時間で手書きのメニューを隅から隅まで読む。それが一人飲みのスタートである。

ただ人によっては注文に手間取るな、とお説教する人もいるようである。確かに馴染みの店なら大まかなプランは出来てはいるが「メニューを見てあれやこれやと迷っているのは田舎者だ!」と言われても「ははぁ」と言うしかない。お通しをつまみながら、じっくりとメニューをみてから自分のペースで注文すればいいのだ。

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そして最初は生ものだ。冷奴が基本なのだけど、新年なのでもちろん刺身。この日はヤリイカと悩んでアジにした。島根の真アジで、季節的に「どんちっちあじ」ではないが冬のアジもうまい。刺身は盛り合わせでもいいのだけど、その日の魚と、その日の体調で決めることが多い。歳を取ると体調によってつまむ肴が変わってくる。

しかし最初のつまみは酒を引き立てる冷たくて淡白なつまみがいいか、揚げ物のように口の中を油まみれにしてビールをグッと流し込むのがいいか毎回悩む。まぁ悩むこと自体が楽しいからその時の気分で決める。

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そしてフライがやめられない。

車海老フライを注文した。メニューにはサイズが中で1本と、サイズが小で2本と二種類書かれており、小2本の方が100円高い。むむ...悩む。こういう時は中1本に集中した方がいいと数分考えて結論を出す。そしてもちろん頭と尻尾がついているエビフライである。なので頭もポリポリ、尻尾もポリポリ食べる。

一人飲みの時はなにかと手間がかかる方がいい。手持ち無沙汰にならないし、一人集中してポリポリ、がぶり、ポリポリ、がぶり、ポリポリとエビフライを食べる姿はちょっとハードコアで気に入っている。

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いま珍味でブームなのがこの「クリームチータラ」である。家では「なとりのチータラ」が常備されているが、このクリームチータラは特別な高級感がある。

車海老フライとは真逆でとてもシンプルなつまみだが、これがなかなかやめられないし、ほんと止まらない。いわゆる普通のチータラとは一線を画すものであり、クリームチーズの豊かな風味と優しい食感がふわっと広がってくる。もう間違いなく酒がすすんでいくのだ。

今年も無事に居酒屋での一人飲みがスタートした。いや、スタートできて良かった。馴染みの店がずっと営業してくれていることに感謝すると共に、あとは自分の健康次第だ。医者にかかると「尿酸値が…」と引っかかってしまうが、なんとか適量の酒で美味しいつまみを今年も楽しみたいと思っている。

 

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