Small Things

感じたこと、考えたこと

上田誠『時をかけるな、恋人たち』第1~2話

「魔法のリノベ」以来の上田誠作品。その間の「かっこいいスキヤキ」は未見。ただやっぱりヨーロッパ企画なので否が応でも期待してしまう。

とにかく井浦翔(いうらかける)役、永山瑛太の狂気に満ちたとても気持ち悪い感じが実に素晴らしい。セリフもよくわからない謎めいた感じがとってもいい。常盤廻(ときわめぐ)役の吉岡里帆もいつも通りの安定感だし、天野りおん役伊藤万理華のクールさもツボる。

1話のゲスト泉澤祐希くんが珍しく純真な未来人の青年役で、シンガーソングライターの吉澤嘉代子と時空を超えた恋の物語は温かく、でもせつなくて、とても良かったと思う。特に主題歌が流れるエンディングシーンの素晴らしさよ。

ただ2話めの未来から駆け落ちした教師と生徒の物語はどうしてもモヤモヤが残ってしまう。基本的に教師とその教え子の話をきれいに描くことには賛同できないし、先生を10年先に帰して10年間先生のことを想い続ければ(先生のその10年間はどうでもよくて)次に二人が会う時は同じ歳なんでハッピーエンド!って・・・それはないでしょ。

教師と生徒の恋愛は決して美化することなく、どこかに着地点を見つけて、恋人が出来ちゃいました、でもお互いの想い出はどこかに忍ばせています、という感じでも良かったんじゃないかと思う自分はひねくれているのでしょうかね。

でもそれはそれとして、本線はメグとカケルの話なので、毎回ゲストのエピソードはさらっと流しつつ、でも1話みたいな話に期待しつつ、上田誠の書くテンポのいいセリフと、瑛太の最高の気持ち悪さと、ナチュラルな吉岡里帆を楽しめればいいんだと思います。

 

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