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京都に行くと必ず訪れる「赤垣屋」という居酒屋の存在

 京都川端通り二条の「赤垣屋」

 鴨川沿いにたたずむとても歴史ある居酒屋である。お店自体は戦前からあるようで、昭和24年からこの場所で営業しており既に70年。まさに京都を代表する居酒屋だ。

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 開店は17時なので、開店前から皆列を作る。夏は暑く、冬は寒い京都であり、入店してカウンターに座れた時はいつもホッとする。カウンターの端から順番に最初の飲み物を聞かれるので、瓶ビールを注文する。生ビールは夏だけ。カウンター内に夏はビールサーバー、冬は四斗樽が置かれる。

 そして料理をまた順番に聞かれるので、しめ鯖を注文するのもいつものことだ。このしめ鯖は酢じめの鯖が二杯酢に浸されており、関東の〆鯖とはまったく違うが、これが旨い。

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 特等席は入ってすぐのおでん舟真ん前のカウンター。その後ろの小上がりも気になるが、やはり人気はカウンターだ。カウンターの予約は出来ないため、確実に座りたければ開店前から並ぶしかない。基本的に並んだ順番でL字型カウンターの壁際から詰めて座っていく。

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 おでんは一年を通して提供されており、その京都だしで煮込まれたおでん具がいつも楽しみだ。 写真にはないが、ロールキャベツとタコがとても魅力的で美味しく、ついついオーダーしてしまう。

 店主はカウンター奥で包丁をふるい、その息子さんである番頭役の若大将はおでん槽に立ち、店の司令塔として全体をコントロールしていく。そして火を使う調理担当の料理人さんに加え、バイトが2~3名、全員白い調理衣の男性で無駄話も一切ないピリピリとした雰囲気の中、時間が進行していく。そうは言っても、ご主人も若大将も手が空けば気さくに話しかけてくれる。

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 経木筆字のお品書きは刺身から始まり、てっぱい、万願寺、はも落し、くみあげ湯葉と京ならではの料理も多い。この経木には値段が書いていないので不安になるが、あくまで今までのお会計の額から想像するに、刺身以外は一品800円〜1000円前後と推測する。一人だと4000円〜5000円、二人で飲んで食べて7000円~9000円のイメージである。 

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 いつもお腹を空かしていくため、京都ならではのおつまみよりは、がっつりボリュームのある料理を注文してしまう。京都に一泊する場合は必ず1日めも2日めも訪問するので、若鶏から揚げと地どり焼きを別々の日に注文したり、今日はこれ、明日はこれだな、と2日に分けてオーダーメニューを考えるのが楽しかったりする。

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 万願寺青とうも必ず注文する一品である。京都ならではであり、これをがぶりと食べる。そして地鶏焼きも安定した旨さである。なおこの写真は今まで訪問した時の写真から載せているので、もちろん1日でこれだけ食べたわけではない。

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  アスパラ牛巻きもナス田楽も、もちろん間違いのない美味しさ。すべての料理が旨いのである。そして唐揚げもアスパラも、カラシとマヨネーズが添えられているのが個人的にはとてもうれしい。

 ちなみにカウンターには調味料が一切ないので、出てくるものの味付けと添えられる調味料でアレンジするのが赤垣屋である。写真に少しだけ写っているのが伏見の酒、名誉冠。これを燗で頂いているときに京都にいる事を実感する。

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  京都に古い店はたくさんあるが、居酒屋で古い店となると、ここ赤垣屋と神馬(しんめ)ぐらいか。私は通い続けてまだ10年ぐらいだが、30年40年通う常連もたくさんいる。先生と呼ばれる年配の方々も多い。

  関東からだとすぐには行けない居酒屋であるため、京都に行くと必ず赤垣屋には行きたくなる。それも行くと二日間とも訪問したくなる。そしてまた、すぐにでも行きたくなるのだ。