Small Things

感じたこと、考えたこと

金子茂樹『コタツがない家』第1話

面白く見た。

金子茂樹が描くホームドラマは、間違いなく楽しく見ることができる。

深堀万里江(小池栄子)はやり手のウェディングプランナー。夫と子供に加え、父親が加わることで、3人のダメ男と暮らしていく物語になっていくようだ。旦那の悠作(吉岡秀隆)は売れない漫画家で、いかにもダメ人間的な感じを出してくるが、吉岡秀隆の隠しきれない品の良さが出てしまっているので、本当にダメなのか、いや本当はいい夫なのではないか、という謎めいている雰囲気が面白い。

ダメ夫なのに万里江が離婚しないのはウェディングプランナーという職業上からであり、それはそれで説得力があるし、今後漫画家として悠作に転機が訪れるのであれば、より夫婦仲も良くなっていくのも安定の着地点という可能性がある。

息子の順基(作間龍斗)は、まぁダメといえばダメな感じもするのだけど、高校3年設定であれば、まぁいるよねという感じで、顔がまた上品な趣きなので、逆に好感がもててしまう。それは WOWOWのドラマ「ながたんと青と-いちかの料理帖-」の印象がいまだ残っているためであり、でも息子役はこの子で良かったとなんだかホッとしている。ただ17歳設定はさすがに大人すぎる顔立ち。

山神達男(小林薫)は万里江の父親で熟年離婚で1人ぼっち。どうやらこのまま万里江に引き取られる感じになりそうだけど、悠作があからさまに抵抗している感じと、 順基のお爺ちゃんに対する愛情が入り混じるのがいい。でも歳を取ってからだと料理が上手でかつ美味しいことは強い。 なんだか自分への課題と受け取ったりもした。料理大事。

あとダメと言えば八塚志織(ホラン千秋)と同棲する年下の彼氏でフリーターの徳丸康彦(中川大輔)。でも彼もまたなんだか感じがいいのだ。西村京太郎好きも好印象。ダメ人間を揃えている割には、みんないい感じのダメンズなので、こちらもカッカしないで見ることのできる安心感。キャスティングさすが。

悠作の担当編集である土門幸平(北村一輝)はギラギラしていて暑苦しいのはさすが北村一輝で相変わらずなんだけど、今のところダメっぽくはない振る舞い。この土門が深堀家を訪ねてくるところからの室内劇が今回の見せ場で、第一幕が土門と悠作、そこに万里江が絡んでいく展開、第二幕は父の達男がこの家に来てからの会話劇。それぞれ別のストーリー・群像劇がありつつも、ラスト近くにはこの会話劇を堪能できるのであればレベルの高いドラマになっていきそうな予感がする。

その他小ネタとして深堀家の朝食を誰が何を作るのか、お弁当はどうするのか、そして夕食メニューは何か。 また万里江が毎朝乗るバス車内の情景、順基の進路、悠作の漫画の連載、志織(ホラン千秋)と彼氏の今後の展開等、なにかと楽しみも多い。

 

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