Small Things

感じたこと、考えたこと

生ものがお好きなんですか?と問いかける女将

居酒屋に行っていない。

こんなにも外で酒を飲まない日が続くとは思っていなかった。やはり感染リスクを考えてしまうと、なかなか飲みには行けないというのが実情である。

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ウイルス対策の根幹は距離

新型コロナウイルスの対策で何よりも重要なのは人と人との「距離」だと言われている。ウイルスの感染は飛沫感染がメインの感染経路であり、飛沫感染対策の根幹は何をおいても距離とのことだ。

その距離が保てるのであれば、マスクはあまり必要ないのかもしれない。夏の外出においては熱中症対策としても、その距離の確保という考え方が重要になる。

ただ居酒屋では人と人との距離を保つことはなかなか難しい。2mはもちろん、1mの距離も困難だと思われる。そしてマスクを取って食事をしながら酒を飲む。会話もする。もう完全に感染リスクがぐっと上がっていく環境である。

カウンターでの一人飲みであれば、話す、会話をするという頻度は減り、飲んでいない時はマスクをつければ、なんとか大丈夫か、という感じもする。

夜の街関連というパワーワード

いま街の居酒屋には人が溢れているのだろうか。「夜の街」というあいまいな定義で一括りにされているため、普通の居酒屋でも感染者が出ているのか分からず、とりあえず「夜に出歩いたらリスクが高い」ぐらいの感覚になってしまっている。

 会社からも「夜の街関連」へ行くことは自粛してほしいという通達が出ており、もう「夜の街」であればどこにも行くことができない。会社としても感染者は出したくないし、夜に出歩いている中で感染したら、感染後はなかなか難しい立場になっていく。

よって会社帰りは、毎日家に直行である。今のところそれしかない。居酒屋で刺身を食べたり、焼き物、揚げ物、季節のものをつまみながら酒を飲むことは、当分出来ないかもしれない。

揚げたての魅力

そうなると夜になかなか食べることのできないものを、昼に食べたくなる。その筆頭が刺身と、揚げたてのフライや天ぷらである。

やはりフライや天ぷらの揚げたては旨い。特に天ぷらは出来立てじゃないと一気に寂しく悲しい食べ物になってしまう。

その条件に当てはまる天ぷら定食屋はなかなかない。いや、天丼てんやがあるのだけど、残念ながら会社の近くにはない。

偶然入った店の天ぷら定食が作り置きの天ぷらだったとしたら、精神的に追い込まれ、絶望と不安から無気力になってしまうかもしれない。よって昼の天ぷら定食は避ける方がいい。

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刺身定食かミックスフライ定食か

あと夜の居酒屋と言えば刺身である。家でもスーパーで刺身のパックを買えば食べることはできるのだけど、スーパーで買ってから家まで持って帰る時間がなんとなくいやなのだ。刺身はその場で、その店の中で食べたい。となると今は昼の刺身定食となる。

刺身定食だと出来立ての天ぷら定食よりはハードルが低く、魚を出してる居酒屋のランチとして提供している店も多い。よって今のお昼は刺身定食、もしくはその場で揚げているミックスフライ定食と鶏の唐揚げ定食、という感じになる。

先日、ヤケになってミックスフライ定食を食べた。なんでヤケになったのかは覚えていないのだけど、たまに会社でそういう気分になるときがある。その時は刺身ではなく揚げたてのミックスフライなのだ。

ボリュームも大満足で、ソースもしくはタルタルをかけて食べるフライは実に旨い。ただそのあと、胸やけをした。お腹もパンパンになった。午後の仕事のパフォーマンスがみるみる落ちていく。もう散々である。

原点回帰の刺身定食

やはり刺身定食なのだ。昼は刺身定食が一番いい、という結論にたどり着いた。

お店のおかみさんが注文を聞きに来てくれて「お刺身で」とたのんだ。一瞬ミックスフライとか鶏の唐揚げ定食が頭に浮かんだが、やはり午後起こりうる様々な事象を想定すると、もう刺身定食しかありえない。そう確信した。

少し待って刺身定食が運ばれてきた。おかみさんが「はい、刺身定食でございます。"生もの" がお好きなんですか?」という想定外の質問を突然投げかけてきた。

えっ…ナ・マ・モ・ノ...って、あぁ、刺身のことか、と頭をフル回転させ、「あ、あ、さ、さ、しゃしみ、が、す、すきな、ものじぇ・・・」ともう訳が分からない返答をしてしまった。おかみさんは「そうなんですね」と完全なる棒読み仕草で、天岩戸へ消えていった。

今、もしコロナ危機でなかったとしたら、その日の夜はこの居酒屋に行き、昼も夜も通う店になっていたかもしれない。但し今は昼しか行くことが出来ない。それよりも、次行くとき「お刺身で」と、なんとなく言いづらくなってしまった。

そして「"なまもの"が好きなリーマン」というあだ名が付けられてしまった可能性があるのが気がかりだ。

 

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