Small Things

感じたこと、考えたこと

雨と刺身定食とおかみさん

刺身定食ばかり食べている。

ただこの日は雨が降っていたので、刺身定食がある店まで行かずに、近場で昼食を済ませてしまった。よって深い後悔の念に襲われている。

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お昼になると毎日その刺身定食のある店に通い、「お刺身で」と「お」を付けて注文していた。とても美味しい刺身であり、充実した昼食だった。

それなのに今日は牛カツ定食というものを食べてしまった。何なのだ。トンカツではなく牛カツとは一体なんなのだ。確かに以前は昼にもフライを食べていた。でも今は刺身定食だ。毎日刺身定食なのだ。

カラダもお昼前からすでに刺身がくる体制で待ち構えているはずだ。その状態でまさか牛カツが胃の中に入ってくるとは、想像だにできなかったであろう。案の定、胃の調子がおかしくなっている。

やっぱり雨が降っていても行くべきだった。刺身定食を食べに行かなかったことを後悔している。毎日決めていたことを「雨」だからという理由で回避してしまう自分が嘆かわしかった。

シャツが濡れるから、ズボンが濡れるから、靴下が濡れるからという理由のみで、牛カツを選択してしまい、ここまで感じ入るものがあるとは思わなかった。

雨というのはとにかくやっかいだ。雨に対しての攻略法がなかなか思い浮かばない。3000円ぐらいする傘も買ってみたが、今は2本とも手元にない。一体どういうことなのだろうか。

海外の方は傘を差さないことが多い。理由を聞いてみたらめんどくさいからだそうだ。合理的である。濡れてもいいのだ。やはり濡れても刺身定食を食べに行くべきだったのだ。

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毎日食べていた刺身定食。そして日々少しずつ刺身の種類も変わっていく。普通前日の残りの刺身を翌日の昼に定食として出すのだと思うが、定食でもかなり新鮮で美味しい刺身であり、食べるたびに驚いている。

ただ上品がゆえにボリュームとは無縁である。サラリーマンの昼食というのはまずはボリュームが重要視される傾向にある。でも刺身定食にボリュームは必要ない。美味しい刺身とふっくらと見事に炊き上がったご飯、そして味噌汁があればいいのだ。

ご飯の大盛りは50円で可能である。でも昼食は腹八分目がいい。少しボリューム的には物足りないぐらいがちょうどいい。もうそういう歳になった。

サブメニューに生たまごという文字が目に入る。その生たまごという文字にグッと魅力を感じる時がある。ただ刺身と生たまごという組み合わせは想像するだけで危険な香りがする。

刺身定食は刺身定食で終わるのがカラダ的にとても優しく、午後の仕事にも勢いが出る。以前であれば牛カツでも勢いが出たのかもしれない。でも今はもう刺身定食でしか午後のパフォーマンスが保証されない事態まで急変している。

やはり雨の日も風の日も行くんだ、そして食べるんだ、そう決めたら飛んでいくのだ。天気が荒れてきて、もう引き返すしかないと思ったとしても、あきらめてはいけないのだ。

雨でびしょびしょになって会社にもどってきたっていいじゃないか。そこにはやり遂げたという万感の思いがあるのだから。

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年をとった。もう仕事もプライベートもするべきことをした。あとはもう今出来ることを無理せず、後悔することなくやっていきたい。こうすれば、こうなる、ということが予測できるものがいい。

刺身定食を食べなければ、そうなって、こうなるのだ。だから雨の日でも行った方がいい。こういう何気ない習慣がひとつあるだけで、少しづつでも日々の暮らしが明るくなっていく。

お会計の時にお店のおかみさんが「いつもありがとうございます」と言ってくれる。そしておかみさんに「ごちそうさまでした」と言いながら外に出る。明日は雨でも必ず行く。

 

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