先月読了した小説は3冊。
少ないなと思う。でも小説を速く読むことが、いつの間にかできなくなった。
平野啓一郎「本の読み方 スロー・リーディングの実践」を読んでからは、もうスローリーディングが当たり前になってしまった感じがする。
読書を楽しむ秘訣は、何よりも、「速読コンプレックス」から解放されることである! 本を速く読まなければならない理由は何もない。
平野啓一郎「本の読み方 スロー・リーディングの実践」より
でも本に関しては、月に何冊読んだ、年間何百冊読んだという物差しで語られることが多い。読書の質ではなく量。読んだ冊数が読書における成果の指標となっている。
但し今は小説をじっくりと読む事が心地よい。歳をとった今、速読とは真逆の遅読、スローリーディングによって読書が面白くなった。
「スロー・リーディング」とは、差がつく読書術だ。その「差」とは、速さや量ではなく、質である。
平野啓一郎「本の読み方 スロー・リーディングの実践」より
先日勝間和代さんのYouTubeで「すきま時間読書はあなたの人生を変えます」という動画を見た。
そこで勝間さんはすき間時間に本を読みましょう、最低でも30分、できれば1時間以上読みましょう、そして今の社会人の8割は月1冊ぐらいしか本を読まないので、1週間 1冊か2冊読めば上位5%に入れます、と仰っていた。
加えて勝間さんは平均1日1冊以上、年間500冊ぐらいの単位で読まれているらしい。やはり読む量を大切にしているのかもしれない。
そしてどのような本を読まれているのだろうか。哲学、歴史、社会科学、自然科学、技術、産業、芸術に分類されるような本を読まれるイメージがある。勝間さんが小説を読むのかはわからない。
1週間に1冊か2冊読むことができれば、社会人の上位5%に入ると言われれば、人は読んだ冊数を目標にしてしまう。でも小説は速読が出来ない。
もちろんストーリーだけ追うのであればできるかもしれないが、小説を深く味わっているのかどうかはわからない。
ただ小説ってストーリーはそこまで重要ではないのだ。
一冊の本を、価値あるものにするかどうかは、読み方次第である。
平野啓一郎「本の読み方 スロー・リーディングの実践」より
作者がどう考え、どう読んでもらいたいか、その意図を考えながらページをめくり、また前に戻ってもう一度読みかえす。
とにかくできるだけ時間をかけてゆっくりと小説を読んでいる。