Small Things

感じたこと、考えたこと

世界の十大小説と今後どのように向き合っていくかを平日の休みに悶絶しながら考える

メイヴィルの「白鯨」を読み始める。
もちろん読み終えてはいない。読み始めて悶絶しているだけである。
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 白鯨(モウビー・ディック)という小説

「白鯨」とはアメリカの小説家、ハーマン・メルヴィルの長編小説である。初出は1851年、つまり170年前の小説である。

森鴎外の「舞姫」は1890年、島崎藤村「破戒」は1906年、夏目漱石の「吾輩は猫である」は1905年、つまり「白鯨」とは、とてつもなく昔の小説なのだ。1851年の日本は江戸時代。つまり嘉永年間の小説である。

「白鯨」は世界の十大小説に入ると言われている。サマセット・モームが10の古典小説を選び、言いたい放題・好き勝手まくしたてるというハードコアなエッセイがあり、「白鯨」は7番目に紹介されている。モームが選んでいるならまぁ間違いないだろうという、気持ちになるから不思議である。

十篇の小説とその著者たち

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ただこの「世界の十大小説」というエッセイ本自体が手に入りにくい。日本では1958年に岩波新書の青版で刊行され、その後1997年に岩波文庫から出ているが、当然品切れであり、Amazonマケプレでも高値がついている。

「世界の十大小説」の原題は「Ten Novels and Their Authors」で「十篇の小説とその著者たち」という意味になる。これは小説の著者がどのような人物なのかをできる限り知ることで、小説というものは真に理解できる、というモームの主張からくる。よって白鯨(モウビー・ディック)の章もひたすらメルヴィル本人のことが詳細に書かれている。

ポケミスを読んだり古典小説を読んだり

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今は毎日少しづつ古書のハヤカワ・ポケット・ミステリを読んでいるのだけど、ふと世界の十大小説が気になる時がある。どうしても気になってしまう瞬間がある。だって読んでないんだもの。世界の十大小説なのに。

実は比較的あせっている。というのも、さすがに年をとってきており、老眼も進み、眼圧も高めで、そろそろ読みたいものを読んでおく必要があるのではないか、と思うようになった。

世界の十大小説

まぁそうは言っても本だって映画だって、読んだり観たりするのに限界はあるのだけど、「世界の十大小説」という、なんとも言えないパワーワードが気になってしまうのだ。モームは以下の順番で紹介している。

  1. トム・ジョーンズ/ヘンリー・フィールディング
  2. 高慢と偏見/ジェイン・オースティン
  3. 赤と黒/スタンダール
  4. ゴリオ爺さん/オノレ・ド・バルザック
  5. デイヴィッド・コパフィールド/チャールズ・ディッケンズ
  6. ボヴァリー夫人/ギュスターヴ・フロベール
  7. 白鯨/ハーマン・メルヴィル
  8. 嵐が丘/エミリー・ブロンテ
  9. カラマーゾフの兄弟/フョードル・ドストエフスキー
  10. 戦争と平和/レフ・トルストイ

実はあらすじを知らないものもある。そして読んだことがあったとしても、それは子供の時であり、今となってはまったく覚えていない。

なにしろ「トム・ジョーンズ」は江戸時代の寛延、「高慢と偏見」は文化年間の小説である。なんだかすごい。よくわからないがすごい。そんな凄さを持っているのが「世界の十大小説」なのである。

休みの日だから作戦を考える

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さてどうするか。どう攻めていくか。こんなどうでもいいことを考えるのは休みの日だからである。現在緊急事態宣言下で今年の夏休みを2月に取得している。

ある意味残念な休みである。どこにも行くことができず、何もできない休みになっている。ただ、こころなしか、どこか余裕があるのも事実である。

十大小説自体はどれもが比較的手に入りやすい。光文社古典新訳文庫であれば紙の本でもKindle Unlimitedでも読むことができる。

ただ紙の文庫本、新潮文庫で読みたいのだ。えっ、なんで?と言われても、えっ、いいじゃん、とうまく説明できない。岩波文庫だと少し真面目すぎるし、文字の大きさと行間になかなか馴染めない。

よって新潮文庫である。海外の古典小説と言えば新潮文庫である。いま悶絶しながら読んでいる「白鯨」も紙の新潮文庫である。これが難解である。難解すぎる。だから数分おきに悶絶している。

世界の十大小説はこれからも悶絶しながら、寄り添いながら読んでいく。

 

世界の十大小説〈上〉 (岩波文庫)

世界の十大小説〈上〉 (岩波文庫)

 
世界の十大小説〈下〉 (岩波文庫)

世界の十大小説〈下〉 (岩波文庫)

 

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