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感じたこと、考えたこと

東野圭吾の小説が7作品だけ電子書籍化されて考えたこと

東野圭吾氏の電子書籍が特別解禁された。2020年4月24日から配信されていたようである。まったく知らなかった。 

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初の電子書籍化

www.watch.impress.co.jp

先日の幻冬舎のKindleセールで「プラチナデータ」が対象だったので、あれ?と思ったが、今度は講談社のセールで「流星の絆」が対象であり、どういうこと?と思って調べたら、出版社7社で代表作7作品が電子化という、なんとももどかしい解禁だった。

  • 容疑者Xの献身(文藝春秋)
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟(KADOKAWA)
  • プラチナデータ(幻冬舎)
  • 流星の絆(講談社)
  • ダイイング・アイ(光文社)
  • 疾風ロンド(実業之日本社)
  • 白夜行(集英社)

*電子化される7作品

元々東野氏は「書店を守るため」という理由で、電子書籍化を許しておらず、且つ著作権侵害の恐れもあることから自炊(手持ちの書籍を裁断してスキャナーで読み取り電子化すること)を歓迎しておらず、書籍スキャン代行業者を提訴したこともある。

ようは紙の本を本屋で買って普通に読んでください、ということなのだろうか。

本屋で本を買うのだろうか

ただ紙の本をみんな街の本屋で買うのだろうか。もちろん本屋は夕方近くはいつも混んでおり、新刊の単行本や文庫本を買う人もいるのだろう。ただ、古本屋で買ったり、メルカリで購入したり、図書館で借りるという人も多いはずだ。

いま少なくとも新刊本を本屋で買うことは無くなった。東野氏の著作も新刊が出たら必ず読んでいるが、メルカリで購入するか、Amazonのマケプレで買うか、ヤフオクで落札するか、ブックオフを利用することがほとんどである。新刊を定価で買うことはあまり無い。

Kindle本であれば買う

そして今回東野氏の著作7作品のみが電子化解禁である。Amazonのセールもあって50%のポイント還元であれば、これはもう普通にKindleで買うことに何の躊躇もない。先日までの幻冬舎のセールで「プラチナデータ」を買い逃したのが悔やまれるが、講談社の「流星の絆」を購入して読み返している。

ではAmazonのKindle本を定価で買うかというと、これがなかなか難しい。理由は「なんとなく」としか言えないのだけど、以前のKindleセールバブルの経験が染み付いてしまっているからかもしれない。

よって今回の電子化7作品の中でも「容疑者Xの献身(文藝春秋)」「ナミヤ雑貨店の奇蹟(KADOKAWA)」等を今すぐ買うことはない。もし今後セールが開催された時に買う候補の一つになるだけだ。

本を買う人買わない人

本というのは買わない人は本当に買わない。図書館から借りるか、人から借りるか、もしくは読まない、という事になる。

本を買う人というのは、本屋やAmazonで定価で新品書籍を買うか、古本屋で買うか、ネットで中古本を購入することになるが、本という物が家のスペースを物理的に圧迫してくることに抵抗が出てくる。

そうなると、本を売る、あげる、捨てるということになる。これが電子書籍であれば、読んだ本、これから読む本、積読本、いつか再読する本、とずっとクラウドに残っていく。

やはりこんなに便利でも、電子書籍化するよりも紙の本のぬくもりであるとか、ページをめくる行為であるとか、本屋さんの経営であるとか、印刷業者、印刷機器製造者、デザイン会社、取次のビジネスが継続していくことの方が大切であるという事なのだろうか。

最初で最後の電子化でも仕方ない

 今回東野氏の小説を電子書籍化したことは「特例」という位置づけらしい。「外に出たい若者たちよ、もうしばらくご辛抱を! たまには読書でもいかがですか。新しい世界が開けるかもしれません。保証はできませんが」と東野氏自身がコメントしている。

そして今回の7社7作品においても各社「最初で最後かもしれない電子化」ということらしい。アフターコロナの際に継続して販売を続けるかは未定だという。そこまで電子化というのは意に反することなのだろうか。

でもそれは作家の信念なのだから仕方ない。電子で読めないのであれば、古本をどこかで買うか、図書館で借りるかであって、今まで通りの工程に従って読んでいくだけである。

でもAmazonがKindleを終了しない限り、購入した本がずっとクラウド上にあるってとても素晴らしいことだと思うのだけど、出版社や編集者、作家にとってはメリットがあまり無いということなのかもしれない。

 

 

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