家で芋焼酎の前割りを飲む。
コロナの時代、家にいることがとても多くなり、焼酎の前割りを作って飲むことが多くなった。焼酎の前割りとは、焼酎を水であらかじめ割っておき、数日間寝かせたものを言う。ようは割って寝かせておくだけ。これだけでたまらなく焼酎が美味しくなる。
何かの瓶に焼酎を入れ、水を入れるだけで完成なので、作ろうと思えばいつでも作ることができる。ただ、寝かせておくための瓶を探したり、ていねいに洗ったり、どの焼酎を割ろうかと考えたり、寝かせておくための冷蔵庫のスペースは空いてるかなど、何かと面倒なので少し遠のいていた。
しかし、今は時間がたっぷりある。そして芋焼酎の「三岳」がある。これは前割りで飲みたい。そう思ったら早かった、速かった。漢字はどっちだ。適当な瓶を探してきて、ミネラルウォーターを横に置き、前割りを作りはじめる。
赤兎馬という芋焼酎の特製徳利が家にあったので、これにまず三岳5合瓶の半分450mlを赤兎馬の徳利に入れる。字にすると混乱してくるが、今回芋焼酎の三岳は450ml、それを水300mlで割ることにした。つまり焼酎6に対して水4の割合。6:4ぐらいであればアルコール度数も15度ぐらいになるので飲みやすい。
寝かせる期間は5日めぐらいから、まろやかさがぐっと増して美味しくなっていく。なので本当は5日以上は待ちたいのだけど、やっぱり作ったその日のうちに飲みたくなり、数時間だけ寝かして少し飲んだり、翌日もじゃあちょっとだけ、となってしまうことが多い。よってここは二本同時に作るか、我慢して5日間待つか、そんな感じになる。5日間待って飲む前割りは本当に旨い。
酒に賞味期限は無いのだけど、水で割るので品質的に暑くなってきたこの時期だと、そのまま常温で寝かすことが少し不安になる。よって基本的に冷蔵庫で寝かしている。場所はこのずんぐり徳利のため野菜室に忍ばせておくしかない。今は二本体制なので野菜を寄せて寄せて、スペースをこじ開けながら忍ばせる。
どうも前割りは酒税法上いろいろと面倒なこともあるらしいのだけど、あくまでも個人で楽しむのであれば問題ない。たまに居酒屋で飲むことのできる店もあるが、やっぱり自分で焼酎を選んで、瓶を選んで、好みの割合で割って、数日間じっくり待つから一層美味しくなるのだ。
そして5日が経ち、いよいよ晩酌で前割りを飲む。すでに割ってあって冷蔵庫で冷やされているので、もうそのまま飲めばいいのである。冷たい前割り。氷は要らない。まろやかな三岳が楽しめる。つまみは冷奴とイカの塩辛。しかしまろやかで旨い。