「いい文章を読んでいい音楽を聴く」
この村上春樹の言葉がとても印象的だった。
ユニクロの無料マガジンの中で村上春樹が26の質問に答えている。その中のひとつに
いい文章を読んでいい音楽を聴くってことは、人生にとってものすごく大事なことなんです。
という回答がある。
おそらく今までの経験からそう感じているのだろう。その想いがダイレクトに伝わってくる。
70歳を過ぎた村上春樹だからこそ言えることかもしれない。そして70歳を超えた今だから断言できることなのだろう。
30代や40代だとまだまだ先の人生は長いと感じる。実際そう感じてきた。だからさまざまな文章を読み、いろいろな音楽を聴いてきた。
でも歳を重ねた今、重ねてしまった今、いい文章を読んでいい音楽を聴き続けていきたい。そう思う。
いい文章とはなんだろうか。そしていい音楽とはなんだろう。
自分でいい文章を探していくのが本質かもしれない。でも先人たちが名著という評価を与えてきた本を読んでいくのが現実的な選択でもある。
音楽もずっと聴いてきた。その中でも名盤とされているものには必ず理由がある。何年にも渡って名盤であり続けるからには、なぜこれが名盤なのか、なぜ名盤として認知されてきたのか、そこを深く理解するのが大切だ。
本当はいい文章だっていい音楽だって、自分で一から探していきたい。誰にも知られていない中から探し出すことは素晴らしいし夢だ。ベストセラーやミリオンセラーよりも、自分だけの名著、自分だけの名盤の方が心に深く刻まれるはずだ。
ただ現実的には様々なガイドを参考にしながら、全体の母数を絞って探索していく。でもそれだって楽しい。
いい文章を読んでいい音楽を聴く。
突然現れたこの村上春樹からのひと言。一生忘れる事のできないインパクトがあった。心に深々と焼き付かれ、くりかえしくりかえし頭に浮かんでくる。
「いい文章を読んでいい音楽を聴く」