Small Things

感じたこと、考えたこと

週刊アスキーとTV Bros.とキング・サニー・アデ

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毎朝改札を通り、ホームへと向かう階段を降りる。

階段を降りたところにKIOSKがある。開店準備で店員さんが新聞を刺し始めている。朝の6時台なのにホームには人がそれなりにいる。開店準備の合間に日経新聞を買い求める人が多い。SUICAが使えるようになっているのか、とこちらが心配になってしまうのだけど、店員さんはテキパキと対応している。

以前はこのKIOSKで何かしら買っていた。ほぼ毎日何か買っていた。特に雑誌を買うことが多かったと思う。まず月曜日は少年ジャンプ、スピリッツ、ヤンマガの発売日だ。さすがに朝一気に全部買うことは出来ないので、ジャンプを買うことが多かった。背広を着ていてジャンプを読んでいる人も当時は多く、マキバオー、I''S アイズ、マサルさん、両さんを楽しみにしていた。なんとなくツッパリ系や時代物や格闘漫画は苦手だった。

毎週火曜日は週刊アスキーの発売日だった。基本的にそれほど役に立った雑誌ではないのだけど、毎週必ず買っていたと思う。LOGiNやEYE-COMからの流れもあり、編集者を前面に押し出してくることに親しみを持った。そして秋葉系の記事も多かったことから、ずっと買い続けていた。連載は、カオスだもんね、電脳なをさん、だってサルなんだもん、物欲番長、町山智浩さんの本当はこんな歌、が楽しみだった。表紙や後ろのページにグラビアが入るようになり、なんとなく会社の昼休みに読むのが恥ずかしくなったのを、今でもよく覚えている。

第一第三水曜日はTV Bros.の発売日。ただこの隔週、月二回発売という形態がどうしても馴染めずに、KIOSKにあれば買うし、見当たらなければ来週かなと、その場の思いで買っていた。スーパージャンプもビジネスジャンプも発売日は覚えられなかった。

ブロスはつい最近まで隔週で発売されていて、とにかく連載コラムを読むことが楽しかった。テレビ番組欄の見にくさは筆舌に尽くし難かったが、数多くのコラム群はとにかく充実していた。清志郎さん、松尾スズキさん、ナンシー関さん、ピエール瀧さん、光浦靖子さん、マキタスポーツさんを始めとするコラム陣渾身の小さな活字を読むことが本当に楽しみだった。

中でも輸入盤ROCKコーナーで井上由紀子さんのレビューで紹介されていたディスクは必ずチェックして、その場で海外にCDを注文していた。あとPerfumeのキャッキャッした連載やWikipediaのウィキ直しは今でも思い出す。

週刊アスキーは現在もデジタルで読むことができ、たまに紙でも発売してくれるのがちょっと嬉しい。できれば今でも毎週紙で読みたい感じもするが、実際発売されたとしても、必ず紙の週刊アスキーを買うのだな、と問い詰められてもハイと言える保証はない。

一方ASCII倶楽部という月額1080円する少しさむいサブスクっぽいサービスがあり、もちろん流れ的に入会してしまっている。毎月1080円である。驚愕である。基本的に2013年から始まったデジタル版の週刊アスキーがすべて読めることを推しているのだけど、特に記事のフリー検索もできないようで、何とも言えないフワッとした感じが実にアスキーっぽい。

ブロスもあの懐かしいコラム陣による連載がデジタルで復活するみたいだ。あーデジタル、あぁーデジタル、noteで月500円、アスキーは月1080円、とこれが今の時代に継続していく最適な手段なのかもしれない。だけど紙で読みたい、あのごちゃごちゃした誌面を増刊ではなく、隔週刊で読みたいと思う。でも本当に買うんだなと問い詰められると逃げてしまうかもしれない。

一方ミュージックマガジンとレコードコレクターズという月刊誌があり、これももう数十年間買い続けている。キング・サニー・アデ(KING SUNNY ADE)の「JUJU MUSIC」の頃からだからほんと長い。長すぎる年月が経っている。でもこの二誌においては、今までまったくデジタル化が無い。ずっと紙。延々と紙。だから今でも毎月、紙の雑誌をコツコツと買っているのである。

ただ紙の月刊誌なので、これはこれであるタイミングで処分するしかない。資料的価値が高いのにもかかわらず、家のスペース的にいつか手放さなければいけない。週刊アスキーもTV Bros.も、あの当時の紙の記事はもう読むことは出来ないので、同じと言えば同じなのだけど、ほんとどうにかならないものか、と考えてしまう。

当時LPで買ったキング・サニー・アデのSYNCHRO SYSTEM、AURA、JUJU MUSICも、今では形を変えてサブスクで聴くことができるのだろうか。と思って改めて確認したら、アルバム単位ではなかなか聴くことは出来ないようだ。でも週刊アスキーは毎週あのアスキー倶楽部で、TV Bros.は今後あのnoteで、そしてキング・サニー・アデもサブスクで少しは聴くことができる。どんな形でさえもずっと残っていてくれることに、感謝しつつ、今日は電車の中で紙の文藝春秋を読んでいる。

Juju Music

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週刊アスキー特別編集 週アス2020June (アスキームック)

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  • 発売日: 2020/05/28
  • メディア: ムック