ハンバーガーをうまく撮るコツを模索するが結論出ず

　ハンバーガーを美味しそうに撮ることが出来ない。

A&W

　たとえば那覇空港に降り立ち、最初に向かうのは空港内のA&Wというハンバーガー屋である。そこでモッツァバーガーを注文する。それをセットにしてカーリーフライとルートビアをたのむと、1000円を超える価格にまず驚く。毎回驚く。そしておかわり自由のルートビアを少し口にして、その味のコンセプトに首を傾げながらモッツァバーガーを撮影する。

　大体一人だと窓際の良席に案内されることは無く、よくて二人用の席に案内されることになる。もちろん窓に向いて座るため逆光になる。窓を背にして座ってもいいのだが、明るい窓を背にして座るという選択肢が自分には無い。常に風景を観ながら食事をしたい、という意識が染みついているからだろうか。

　モッツァバーガーの包装紙をあけて久しぶりのモッツァと対面する。こんにちはー。そしていよいよ写真を撮ることになるが、その前に露出補正はプラスにめいっぱい上げておく。しかしこの日のモッツァバーガーは顔がいまひとつである。なんか中途半端に口が開いており、かつ華やかさも感じない。でもこればっかりは仕方ない。このまま撮るしかない。

　なんとなくピリッとしないので、シャキシャキ野菜とトマト2枚とモッツァソースが見えるようにバンズを少し上にあげてみる。

　カバですかっ！

　ここまで不自然な写真も珍しい。左手でバンズを持ち上げ、右手で重たい一眼レフを持ち、ファインダーを覗きながらシャッターを押す…という苦労の割には、成果がほぼ表われていないことが衝撃である。そもそも一眼レフで撮影する事自体が否定されているような結果になってしまった。

　露出補正をプラス方向に上げて撮影するのはいいとして、何よりそのハンバーガー自体の形、ハンバーガーと野菜たちの絡み方の美しさに運の要素が強く、それだったら旨く撮影できなくても仕方ない、仕方ない、と二度言いながら速攻であきらめる。そしてルートビアをがぶ飲みする。ほんとこのルートビアというソフトドリンクは謎に満ち溢れており、おかわり自由ではあるものの、1杯目を飲み切ることが苦行である。

A&W ルートビア 355ml×24本

ゴーディーズ （GORDIE'S ）

　そして沖縄のハンバーガーと言えば、ゴーディーズである。これは間違いない。北谷なのでもちろん車で行くのだが、ここはもう行くと決めてからのテンションが異常である。あの炭火で焼いた固めのつなぎのない肉のパティを想像すると、車の中で早くもヨダレだらだら状態である。

　もう見ているだけで素晴らしい光景である。

　この形式で登場するハンバーガーの撮り方はまったくもって分からないが、やはり真横から撮るのが正解なのだろうか。どうしても斜め上から縦位置で撮りたくなるが、露出補正をプラスに上げてから低めの位置から撮ることにした。しかしダブルチーズバーガーって美しい。

　ここゴーディーズのハンバーガーは形も安定しており、何よりハンバーガーの顔が良い。そして撮っていて楽しい。デジカメで撮る場合、1枚1枚を液晶画面で画像を確認しながら撮っていくことになるが、ここでテンションが上がらないと良い結果にはならない。お店のアメリカンな雰囲気と、このバーガーの映える感じで徐々に自分を上げていく。そしてハンバーガーも本当に旨い。この肉感と共に気持ちがたかぶっていく。

J.S. BURGERS CAFE

　一方、鎌倉のJ.S. BURGERS CAFEでも撮ったものの、ますますハンバーガーの撮り方に混乱を極め猛省する。結局周りのお客さんの目もあるし、連れもいるし、ライトや光の状況にもよるし、なんだかんだ言って旨く撮れないし、よくわからないのだ。最終的に、ま、いっか、という負のスパイラルとなる。

　結局結論は出ないまま、僕はハンバーガーを撮り続ける。

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