Small Things

感じたこと、考えたこと

新梅田食道街「樽 金盃」で樽酒を飲みエッグをつまむ居心地の良さ

新梅田食道街で飲む

 JR「大阪駅」御堂筋口から歩いて約3分、阪急電車の「梅田駅」からは歩いてすぐの場所に「新梅田食道街」という1950年(昭和25年)から続く飲食店街がある。開業当時は18店でスタートし、現在は約100店舗まで拡大し、1Fと2Fに飲食店がずらりと連なる。居酒屋や立ち飲みはもちろん、お好み焼き、寿司、洋食、喫茶、バー、パン、洋菓子と、ここに立ち寄れば何でも食べることが出来るイメージがある。新梅田食道街の「しょくどう」は「食道」と「堂」ではなく「道」の字を使う。いろいろなものを食べさせ、飲ませる店が、狭い通路に並んでいることから「食道」と名付けられたらしい。

shinume.com

樽 金盃という止まり木

f:id:rocketboy_miya:20190806212216j:plain

 その新梅田食道街に店を構えて30年以上、昭和の香りがする止まり木が「樽 金杯」という立ち飲みである。この縄のれんから店内を覗くことができるが、すいている時はまず無いくらいに、連日早い時間から賑わっている。 

f:id:rocketboy_miya:20190806203556j:plain

 カウンターに鎮座するこの樽。ここは樽酒メインの立ち飲みであるため、あくまでも主役は樽酒。そして一応ハートランドの生ビールもおいてはあるが、あくまでも主役は樽酒であるという認識だ。ただビールを注文する客がとても多いことに驚く。それもハートランドの生は400円なのだが、最初の1杯は200円で飲めるため、店主的には一応ビールを飲むことも推奨範囲なのだろうか。

「冷や」は「常温」 

f:id:rocketboy_miya:20181126215556j:plain

 樽酒は白鶴の一斗樽から、燗、ぬる燗、冷や、冷酒、を選ぶ事ができる。ここで言う「冷や」とは「常温」の事で、冷やした酒は「冷酒」と注文する必要があり少し混乱する。

 そして樽酒自体が市販されている白鶴とはどうも異なる感じであり、おそらくオリジナルブレンドと思われる。「思われる」というのは未だ店主とはオーダーでしか会話をしたことがなく、基本的にぐいぐい話をするような雰囲気のカウンターではないのだ。

樽 金杯のルール

 このオリジナルブレンドの樽酒は、柔らかな酒の甘みと、ほのかな樽の香りが口の中に広がり、とても美味しいと思う。樽酒は450円で「もう少し」というメニューもあり、おおよそ半分の量で250円。但しぐいぐい何杯も飲めないルールもあるようだ。

 まずこの店に酔っぱらってくる事は入店を断られる可能性がある。よって私も二軒目の時は一旦食道街のトイレに寄り、水を飲み、大袈裟に言うと襟を正してから入店する事が多い。そして基本的に大人数での入店は不可。店内で大声で話すことも注意される。あとこれは定かではないが、酒は5杯までらしく、フードも1品以上を注文するルールとも言われている。もちろん上記のルールはどこにも書かれていないが、特に酔っている客とうるさい客には店主が必ず注意するので、とても快適に飲むことができる。

 エッグというアテ

f:id:rocketboy_miya:20190806203817j:plain

 ここでの名物「エッグ」は毎回注文する一品料理。小さな片手土鍋に卵が二つ入っており、かなり熱々に煮えたぎった状態で登場する。この状態で写真を撮っていると「早く箸でかき混ぜて」と店主に言われ、急いで箸でぐるぐるかき回し、それから少し待つと完成となる...らしい。

 味付けは塩のみだが醤油もあったと思う。店主の目の前ではなく、カウンター右奥に立つことが出来れば、女性スタッフと気軽に話すことが出来るため、店主と話したければ入って正面か左、店主と距離を置き、ゆっくり飲みたい場合は入って右がおすすめ。でも基本的に私のような一見に毛の生えたような客には話しかけてこないので、それはそれで落ち着いて静かに飲むことが出来る。常連があくまでも中心の店だが、特に気にする必要もない。

f:id:rocketboy_miya:20181126214432j:plain

 ソーセージ好きなので「ピリ辛焼きソーセージ」を注文する。季節の一品もあるようだが、ここでは冷や奴、焼き味噌、酒盗、チーズクラッカー等を注文する事が多く、ほっと心癒される樽酒と共に楽しんでいる。 

ゆっくりと酒を楽しむ 

 やはり静かに飲める立ち飲みは、ゆっくりと、ゆったりと酒を楽しむことが出来るのが良い。そして誰からも話しかけられることもなく、一人クールダウンできるので、とても居心地の良い時間が楽しめる。これからも特に店主と話す予定は多分無い。

f:id:rocketboy_miya:20190806212226j:plain

日本の酒 (岩波文庫)

日本の酒 (岩波文庫)