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堀井憲一郎「いますぐ書け、の文章法」を読み、文章を書く時の意識が確実に変わった

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 何度も読み返している本がある。

 ブログを再開するにあたって再読した。それは、ちくま新書の「いますぐ書け、の文章法」という堀井憲一郎氏の著作である。2011年に発売されたものの、未だ電子化されておらず、Amazonでは中古本の価格が高騰している。

 今まで文章の書き方や文章力の向上について学んだことはなく、でも、さすがにブログで文章を書くとなると、少しはその文章法というテクニックを学んでおこうと思い立ち、「いますぐ書け、の文章法」を手に取った。

 とにかく第一章、第二章という冒頭部分からホリイ氏は飛ばしてくる。いきなり「文章を書くことの根本精神はサービスにある。」「サービスとは「読んでいる人のことを、いつも考えていること」である。」と言い切る。そして「何ものにも優先して、とにかく読者のことを一番に考えていますか」という問いかけに衝撃を受けた。まだ本の冒頭16ページである。そして「自分の主張を曲げてでも、読者に楽しんでもらおうとしてますか」でとどめを刺す。

 加えて「読む人の立場で書け」「褒めてもらいたい人は文章を書くな」と立て続けに断定してくる。この「書くかぎりは断定せよ」という章もあり「冒頭の一人称、文末の「思う」は不要」とも言い切る。このブログでも相変わらず「私は」「〜だと思う」を使いまくっているので頭が痛い。そして少し戻るが、まだ52ページだと言うのに(この本のページ数は222頁)私にとっての結論とも言える一言が登場する。

どういう文章を人はおもしろいとおもうのか。
「知らなかったことを知る」
そのとき、人は面白いとおもう。
簡単に言ってしまうとそうなる。 

  あーそうなんだ、と初めて読んだ時に思った。人が面白いと思う時は、知らなかったことを知る瞬間なんだ、そうなんだと、何かもの凄いことを学んだような気がした。そして続けざまに、

「文章を書くのは、人を変えるためである」

と言い切る。知らなかったことを知った時に、人は何かが変わった感じがするのだ、と言う。文章を書く側は、それにこたえる必要がある、だから文章を書くのは、人を変えるために書くのだ、という考え方である。

 それ以降私は何か文章を書くたびに「これは読む人の立場で書いているか」「自分の考えを押しつけていないか」「人を変えるものを書いているか」という事を常に考えるようになった。もちろん結果的にそれが「ちゃんとした文章」になっているかは分からない。おそらく全然たどりついていないのかもしれない。ただ、この本を読む前と、読んだ後とでは、文章を書くという行動に対して、確実に意識が変わってきた。

 「すぐに書け」「意識を変えろ」「読んでいる人が喜ぶものを書け」「「自分が書いたものをそのまま受け入れて欲しい」という気持ちが強い人は、文章を書いてもしかたがない」「自己表現をしたい人は文章書きになれない」とまぁ幾度となくボッコボコにされる。そしてこれからも何度も読み返すことになる本なのだ。

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)