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人生の後半戦にまさか毎週末「池袋」で過ごすことになるとは思わなかった:池袋が好きになっていく日々

 人生の後半に差し掛かった今、なぜか池袋で過ごす日々が多くなった。学生の時は新宿、渋谷が中心で、社会人になってからは銀座、上野という街で過ごしてきた。ただ池袋という街に出向いていく事はあまり無かった。それが最近は週末であれば池袋に行くことがほとんどだ。その一番の目的は池袋にある名画座「新文芸坐」に行くためである。主に昔の日本映画を観るために出掛けて行くことが多いが、ここで上映される映画がとても魅力的で面白いのだ。ほぼ特集上映のスタイルであり、最近では鈴木英夫監督特集、川島雄三監督特集、昭和の刑事特集と、1~2週間単位で特集が変わっていき、上映作品は毎日異なる場合が多い。二本立てでの上映が基本であり、自由席、入れ替え無し、食べ物の持ち込み自由という昔ながらの映画館である。

新文芸坐という名画座

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新文芸坐

  週末の朝9時ごろJR池袋駅の北口を降りると、朝早いにもかかわらず若い人たちで地下道は混雑している。キャリーバック組も多く、パルコの前には既に列が出来ており、やはり池袋は若者の街なのだと認識する。北口から新文芸坐は歩いてすぐだが、そこまでの道のりは昔ながらの歓楽街で一気に大人の街となるのもまた面白い。まだ上映開始時間の1時間前だが、映画館のシャッターが閉まっているうちから並ぶのだ。

池袋での一人ランチ

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新文芸坐オリジナルのサグーン・チャーハン

 映画館の中には、近くのコンビニで買ってきた食べ物も、基本的に持ち込み自由だ。ただ売店で売られている近くのインド・ネパール料理専門店「サグーン」で作られたチャーハンとサモサが旨い。それらはなんと新文芸坐オリジナルメニューという事でかなりの争奪戦となり、この日も既に売り切れ。よってサグーンに直接行ってランチを食べることにした。

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Sagun(サグーン)のランチ

 サグーンのランチタイムは夕方までと長く、映画上映後14時ぐらいの入店ともなると店内も空いている。そしてナンも大きく、これにスープとドリンクがつくため、満足度も非常に高い。是非夜も訪問したくなるが、検索すると「肉とチーズの店」とあって多少混乱する。ただしチャーハンは新文芸坐でしか食べることができない。でもそれがいい。

古本と中古CDの探索 

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BOOKOFF池袋サンシャイン60通り店

  外に出るとやはり若者で街は賑わっている。新文芸坐では60代から70代近い客が中心なのだが、外に出ると一気に雰囲気が変わる。さて、今日は久しぶりに平和堂書店という古本屋でも行こうかと一瞬思ったが、あの北池袋のホテル街を横切っていくのがちょっと辛く、この日は気軽に行けるブックオフへ向かうことにした。

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購入した本

 池袋のブックオフはかなり大きく、じっくり見ているとすぐ時間がかかってしまうため、岩波新書、新潮文庫、東海林さだお、椎名誠をチェックする。100円コーナーからちょっと多めに数冊手に取ってしまい、そのまま会計へ。成果的にはかなり満足だ。しかし椎名誠の「活字のサーカス」はいつ見てもヤケが強烈なのしか目にしないが、もう状態が良いものを見つけることは出来ないのだろうか。でも状態が良いものを求めてずっと探し続けるのもまた楽しいのだ。

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ディスクユニオン池袋店

 次はいつものディスクユニオンに行く。いわゆる中古レコード・CD屋だが、中古の本も売っている。CDも一通り見てみるが、今はストリーミングで聴けてしまうため、紙ジャケのCDや落語のCDをチェックしたりする。この日は特に収穫は無かったが、やはり中古屋なので、ほぼ毎回ディスクユニオンには訪れることになる。もちろん一人で行く。それしかない。

東池袋から鬼子母神周辺へ

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東池袋

  カメラを持参しているので、東池袋から鬼子母神周辺まで足を延ばすこともある。都電が走り、大鳥神社、鬼子母神、雑司が谷旧宣教師館とスナップを撮ることができる場所も多く存在する。東池袋はとても静かな街並みであり、駅前の喧騒から一転してとても落ち着ける場所だ。もし池袋に住むことができれば、この東池袋地区はとても魅力的に感じる地域である。

好きになっていく池袋 

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池袋演芸場

 ここからは再度北へ向かい、古書・往来座、ジュンク堂書店、三省堂書店と、古本や新刊をチェックしながら駅へと向かう事が多い。この界隈における本屋チェックは本当に熱い。サイン本も熱い。なのでついつい長居してしまうのだ。では西口は?というとまだまだ開拓・探索出来てはいないが、実は落語を目的に「池袋演芸場」に行くこともある。毎月10日ごとに出演者・演目が入れ替えられており、1日~20日までは昼夜入れ替えもなく、2500円でずっと居てもいいのである。

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さかば ふくろ

  そして池袋で一人で飲むときは「酒場ふくろ」がいい。今日観た映画や寄席を振り返り、買った本を読んだり、CDを確認したりする。群衆の中の孤独を味わうにはぴったりの場所だと思う。このような感じでなんとか人生の後半に差し掛かり、まさか休日を池袋で過ごすことになるとは思わなかった。徐々に自分なりのルートも開拓しつつ、まだまだ行ったことのない店や街に訪れてみたいと思う。そして出来ることなら本当に住んでみたい街になっていく予感がしている。

 

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