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感じたこと、考えたこと

行きにくいけど魅力に満ち溢れている神田神保町という街

 しかし神田神保町という街は行きにくい。 

 いや、確かに神保町駅という駅があり、半蔵門線、都営三田線、都営新宿線に乗れば一気に神保町まで行ける事は理解している。ただJRの駅からだと、未だに最短での到着イメージがわかず、JRお茶の水駅から歩いて行くことしか思いつかない。

 たとえばよく行くディスクユニオン神保町店であるが、東京駅からだと大手町駅まで歩いて半蔵門線か三田線で神保町駅直通、もしくは丸の内線でお茶の水駅から歩きという事になる。これが上野駅からとなるとよく分からない。銀座線で三越前まで行き、半蔵門線に乗り換えるか、普通にJRでお茶の水駅から歩くか、いっそ神田駅まで行ってから20分くらい歩くかという選択肢があり、もう歳と共にパッとは思いつかないのだ。ただ行きにくい街ではあるが、神保町という街は好きだ。なので一回や二回乗り換えながらも、かなりの頻度で行く場所となっている。

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神保町シアター

 まず訪れるのは神保町シアターという名画座である。人生の後半戦は名画座メインで通い続けようと思っており、この映画館は外せない存在である。ここでは特集上映形態で、1日に異なる映画が4本上映される。料金は1本ごとに1300円だが、5回で1回無料となる会員制度もある。整理番号順の入場で、劇場自体とても綺麗であり、場内の椅子も名画座とは思えないくらい快適で映画に没頭できる。

www.shogakukan.co.jp

 そして映画を観た後のランチに神保町は困らない。もう気になる店が何軒もあり、充実しすぎて逆に困る。キッチン南海とかをヘビーに攻めたいが、さぼうる2のナポリタン、共栄堂、マンダラでのカレーも外せない。そしてビヤホール・洋食屋のランチョンで、美味いビールを飲みながら自慢メンチカツをつまみ、少し贅沢に特大天然海老のエビフライやカツサンドを優雅に食べる自分の姿を妄想したりする。

www.luncheon.jp

 食後はいよいよ古書店をぶらぶらと見て歩く。まずは将棋本の専門店であるアカシヤ書店に行き、目当ての古書があるかを確認する。基本的に「ふむふむ」と頷きながら何も買わずに出てくる時の方が多いが、このアカシヤ書店に来るだけで、さぁ将棋の勉強をするぞ、という気持ちになるから不思議だ。将棋自体ものすごく弱いのだが、将棋やるぞモードにはすぐなるのだ。

www.akasiya-shoten.com

 あとは矢口書店、ササキレコード社、神保町ブックセンターに寄ったり、まだまだ歩けるときは白山通りのレコード社やタクトものぞいてみる。Apple Watchでのムーブとエクササイズの値を伸ばすには絶好の街である。そして書泉グランデや三省堂書店で新刊をチェックしつつ、特に書泉グランデの鉄道フロアには抜け出せない沼が待ち構えているので危険だ。この沼は本当に深過ぎる。両足が漬かったらもう最期である。そして無事生還したらディスクユニオン神保町店で落語のCDを探す。しかしこんなにも趣味の世界に入り込め、改めてディープな街だなぁと思う。ほんといくら時間があっても足りなくなり、毎回1日がかりとなってしまう。

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 さて帰りがまた大変なのだが、JRお茶の水駅まで歩くか、千代田線の新御茶ノ水駅まで歩くか、という事になり、もうへとへである。結局は行きも帰りもJRお茶の水駅経由となり、Apple Watchのアクティビティも楽々クリアできる。

 でもこの街に住むことが出来たらどんなに楽しいだろうか、とたまに思う。名画座があり、古書店街があり、中古レコード屋があり、ランチョンやキッチン南海もあるなんて、ほんと充実しすぎである。さすが日本のカルチエ・ラタン、ただただうらやましくなる街「神田神保町」だ。

 

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