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スペイン警察・特殊分析班シリーズ第一弾「花嫁殺し」カルメン・モラを読む

いや、いや、凄い。傑作であり名翻訳だと思う。

花嫁殺し (ハーパーBOOKS)

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スペインの警察小説。スペイン語からの直訳である。スペイン・マドリードの情景も十分味わうことができ、翻訳ミステリーの読者でよかったとつくづく思う。

題名が示しているように殺されたのは花嫁。ただ被害者は頭にあけられた穴に蛆を埋められており、徐々に脳が蛆に食われていくという異常な殺人。

日本のミステリはおじさんが普通に殺されるのが常だが、ヨーロッパのミステリはその被害者や殺され方も異常なことが少なくない。

被害者の姉も七年前に同様の手口で殺されており、その犯人は現在服役中とのこと。これは別の模倣犯なのか。ここがまず出発点。

そしてスペイン警察の特殊分析班(BAC)が捜査に乗り出し、リーダーのエレナ警部と一流の個性豊かなメンバー達のキャラを強調し魅力的に描かれていく。

特にエレナ・ブランコの個性はエモーショナルで本当に素晴らしい。

加えてスペイン・ミステリをここまで魅力的な翻訳に仕上げた宮﨑真紀氏の名訳がとにかく秀逸。

エレナの悲しい過去も語られ怒涛のストーリー展開が実に圧巻。ほんと素晴らしい。

どうやらこれは三部作の第一作らしく、今後エレナ自身の抱える問題が明らかになっていくと想像する。間違いなく次作を読みたくなる。

 

 

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