Small Things

感じたこと、考えたこと

川端康成を紙の新潮文庫で読むか電子書籍で読むか

川端康成を読んでいる。

川端康成を読む

急に読み始めた理由は、今まであまりにも日本文学を読んでこなかったことに対して自責の念に駆られたことと、歳を重ねるにつれ「本」そのものが読めなくなる状況が突然やってくるかもしれない、という焦燥に駆られたことが大きい。じゃあ海外文学はとなると、そこにあまり明確な理由はなく、まずは日本文学から読み始めている。

加えて著作権法の改正によって従来の保護期間である死後50年が死後70年へと延長されたことに伴って、川端康成の著作がパブリック・ドメイン化されるのが遥か先になってしまったことも心を動かした。

川端康成は1972年没、つまりパブリックドメインになるのが2042年~2043年になるらしく、これはもう待っていられない、今読まねば、という意識が働いたことは確かである。このまま日本文学を読まないまま、本気でヨボヨボになっていく可能性も十分あると思い読み始めたのである。 

forest.watch.impress.co.jp

新潮文庫の川端康成

www.shinchosha.co.jp

川端康成と言えば新潮文庫、作品が手に入りやすいのも新潮文庫、そう思っていたので新潮文庫で読んでいこうと決めた。そして現在紙の新潮文庫で手に入る作品は書簡集と初恋小説集を入れて14冊となる。

新潮文庫(紙)で入手可能な川端康成
  • 雪国 396円
  • 伊豆の踊子  396円
  • 愛する人達 506円
  • 舞姫 605円
  • 山の音 693円
  • みずうみ 473円
  • 女であること 924円
  • 名人 473円
  • 虹いくたび 605円
  • 眠れる美女 539円
  • 古都 572円
  • 掌の小説 979円
  • 千羽鶴 605円
  • 川端康成・三島由紀夫 往復書簡 572円
  • 川端康成初恋小説集 737円

かなり出ている。

紙の新潮文庫は売れなくなるとすぐに品切れ・絶版となるので、出ているうちに買っておくしかない。ただ往復書簡集と初恋小説集を除いたとしても7766円(税込み)とかなりの高額となる。値段が高いのは単純にページ数が多い小説なのだと思うが、集めてみようかな、という思いが踏みとどまってしまうような値段設定である。

そして現在紙の新潮文庫では古書しか手に入らないが、新潮社によって電子化されているのが以下の通り。

新潮社の電子書籍で入手可能な川端康成

  • 花のワルツ 385円
  • 天授の子 759円
  • 現代語訳 竹取物語 484円
  • 東京の人(第1) 759円
  • 東京の人(第2) 759円 
  • 東京の人(第3) 759円
  • 川のある下町の話 715円
  • 浅草紅団 484円
  • 新文章読本 484円
  • 浅草日記 561円

これもすべて集めるとなるとかなり高額になってしまう。できれば本の値段を気にするような小さい男にはなりたくなかったが、これだとやっぱり古本屋でさがしてみるか、という気になってしまう。

ブックオフでの川端康成 

中古本で集めるのであればまずはブックオフである。そして100円(110円)コーナーとなるが、実は川端康成はほぼ無い。夏目漱石や太宰治もそれほど100円コーナーに並んでいるわけでもないが、数軒ブックオフをハシゴしても川端康成が100円コーナーで買えることは非常に少ない。並んでいたとしてもヤケが強い古本がほとんどである。

通常価格の文庫本コーナーであれば川端康成も数冊は発見できるが、価格もほぼ定価に近い状況である。 現在品切れの「花のワルツ」を見ることも無い。とても流通量が少なくあまりマーケットに出てこない作家なのだ。

今後の読書方針

基本的に電子書籍でいきたいのはやまやまだが、ブックオフで紙の新潮文庫を見つければ買っていくし、通常運航でコツコツと集めて読んでいくしかない。という当たり前すぎる結論に愕然とする。ただ新潮文庫の解説は三島由紀夫や山本健吉等が書いており、とても重厚な文芸評論だと思っている。その解説が読みたいという理由もあるため、根気よく集めていくしかない。

眠れる美女 (新潮文庫)

眠れる美女 (新潮文庫)

  • 作者:川端 康成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/11/28
  • メディア: ペーパーバック
 
女であること (新潮文庫)

女であること (新潮文庫)

  • 作者:川端 康成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1961/04/18
  • メディア: 文庫