久しぶりにブックオフへ行った。
緊急事態宣言が発出されて以来、臨時休業中だったブックオフ。そろそろ再開しているかなと思い、特に確認もせずにフラっと行ってみたらリニューアルして営業中だった。
店内には人もそれなりにいて、密ではないのだけど、棚と棚との間が狭いため、人と急接近してすれ違うことになる。少し怖い。そしてスリル。
改めてコロナの影響を感じながら、まずは入り口にあった消毒液で手指消毒をしてから店内を歩き始めた。
SLAM DUNKを探す
そう言えばスラムダンクを読もうと思っていたんだった。90年代の漫画なので、ちょうどジャンプから遠ざかっていた時期の漫画・コミックスであり、噂には聞いてはいたけど特に読もうとも思わなかった。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・?」という有名なセリフに関しても、どこで知ったのかは覚えていない。そんな距離感のある漫画がSLAM DUNKだった。
今回たまたまハライチ岩井勇気のニコ生の番組内で、SLAM DUNKを完全に読む、みたいな企画が持ち上がって、じゃあいい機会なのでいよいよ読もうかな、と思っていたところだった。
ブックオフで集英社のジャンプコミックスの棚を探したのだけど見つからない。確かオレンジ色の背表紙だったよな、と思って棚を左から右へ、上から下へと確認したがまったく目に入ってこない。
全巻セットみたいにパックされて並んでいるコーナーにもなく、なかなか入手するのもハードルが高いコミックスなんだなぁと認識した。古本屋における出会いは偶然であって、もう読むことはできないかもしれないし、これからも探していくかはわからない。
店内で立ち読みをしている人は少ない、というか一応禁止のようだ。今までのように古本を手に取ってパラパラとめくったり、冒頭だけ立ち読みすることも無くなった。基本的に背表紙を確認する、というより、ただ眺めるだけである。
100円コーナーで眺める
その後自分で普段持ち歩いている手指用の消毒スプレーをかけ、小説の100円コーナー(税込み110円)をチェックする。まずは先日電子書籍化された東野圭吾の7作品がブックオフでいくらで買うことができるのかを確認した。
今回の東野圭吾の電子化は特別解禁という位置付けで、出版社7社で7作品。すべて100万部突破の代表作で、7冊あわせて1288万部らしい。なんだかもの凄い数字だ。そして最初で最後かもしれない電子書籍化という触れ込みである。
- 集英社「白夜行」(1999年)
- 文藝春秋「容疑者Xの献身」(2005年)
- 光文社「ダイイング・アイ」(2007年)
- 講談社「流星の絆」(2008年)
- 幻冬舎「プラチナデータ」(2010年)
- KADOKAWA「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(2012年)
- 実業之日本社「疾風ロンド」(2013年)
講談社の「流星の絆」だけは見つからなかったが、他はすべて100円の棚で見つけることができた。本の状態は様々なようだが税込み110円は安い。売れているだけあってそれだけ在庫が潤沢なのだろう。
最初は手に取らずに背表紙だけを眺めて、あ、あるな、あ、少し焼けてるな、あ、少し状態悪そうだな、ぐらいの確認をした。
そしていつものように川端康成、向田邦子、椎名誠、東海林さだお等を流すように見た。あとは作家名の書いてある仕切りプレートではなく「あ」とか「か」とかで仕切られているコーナーも一応流し目で見る。いつになく高速で見る。そしてその棚を急ぎ足で通り過ぎる。
コロナの時代に古本を探す
ブックオフが再開して、ある意味いつもの日常が少しだけ戻ってきた。
ただ古本、中古本を見て、手に取って、内容を確認して、購入というプロセス自体を躊躇したり、人と人とが狭い通路を行き交う店内に少し居心地の悪さを感じたり、滞在時間も大急ぎの早歩きによる数分間になったりと、コロナの時代における古本との接し方にも、変化が出てきたと思う。
そういえば近くの図書館では、書架から手に取って閲覧した本は、書架に戻さず返却台に置くのが決まりのようだ。新型コロナウイルスはモノの表面、つまり本の表面に付着しているのであれば、どのくらい残り続けるのだろうか。
WHOによるとウイルスはボール紙には最大24時間も生存するらしい。そうであれば古本屋では手指消毒をして本を買ったとしても、家に帰ってしばらく古本を外に出しておくか、本に対してアルコール消毒をするか、という事になる。
手指消毒の衝撃
もう一度東野圭吾の棚に戻って文庫本を手に取った。何を置いてもまずは「手指消毒」をして、買う時は意を決して買うのである。
「手指消毒」は「しゅししょうどく」と読む。そのことに今ひとつ慣れない毎日である。
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