Small Things

感じたこと、考えたこと

多彩で野心的なアプローチ~駅前劇場『ビニール袋ソムリエ2021』

駅前劇場で『ビニール袋ソムリエ2021』を見た。制作「山口ちはる」プロデュース。2021年10月13日から17日までの上演。

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脚本・演出を手がけたのは雲隠ノノ太郎。そして四次元ボックスの佐藤修作、PAPALUWAの鈴木真之介を中心に総勢16名。魂の込められた素晴らしいステージだった。

チラシ裏には「午前11時。全国の覚醒したソムリエ達が下北沢駅前に集結する。そして。ビニール袋と共にあらんことを! ビニール袋と共にあらんことを! ポリエチレーーーン! ああ、最高だ。」と書かれていた。正直これを読んだ瞬間、かなり苦手な分野かもと警戒した。

そして開演直後の前説でもう帰りたくなった。でもそこからが素晴らしかった。とにかくパワフルで、とにかくおバカで、とにかくエモーショナルだったのだ。この溢れ出るダイナミズムがずっとずっと続いていく。

ビニール袋、いわゆるレジ袋を頭からかぶっていないと殺されてしまうという世界に支配される謎設定に対して、真剣に汗だくで演じきることで演者もそして観客にもエナジーと高揚感が生まれてくる。

加えて駅前劇場の音響が実に素晴らしい。音楽、効果音、そして出演者が織りなすケミストリーが抜群に心地いい。銃声音多めなのが苦手な部分ではあったが、それによって血液が湧き立つ何かがあった。

話の内容は途中からちょっと混乱してきたが、芝居は半分理解できればよし、とするしかない。やはり荒々しく躍動感溢れるステージに終始圧倒されたこと、時間を忘れてスリリングな体験ができたこと、それに尽きる。

 

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