B面の名画座

埋もれた映画と、忘れられない音楽

指先の弦とジャズの手ざわりが育てた、小さな庭 Haley Heynderickx - Seed of a Seed (2024)

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Haley Heynderickx - Seed of a Seed (2024)

米オレゴン州ポートランドを拠点とするヘイリー・ヘインドリックスは、18年のデビュー作『I Need to Start a Garden』で静かに注目を集めた女性シンガー・ソングライターだが、6年ぶりのこの2作目は、待たされた時間がそのまま実りになったような作品だった。

主役は彼女のスティール弦アコースティック・ギターのフィンガー・ピッキング。そこにドラムス、トロンボーン、ウッド・ベース、のちに加わったエレクトリック・ギターとチェロが控えめに色を添える。

本人が「ジャズ・ボーイ・バンド」と呼ぶ編成だが、音は終始ひかえめで隙間が多い。それでもメロディーは一筋縄ではいかず、素朴な歌い出しから思わぬ方向へ転がっていく曲ばかり。都会の暮らしと自然との距離を歌う言葉も、説教くささがなく率直だ。

フォークの歌にジャズの低音と管が寄り添う感触は、ジョン・マーティンの『Solid Air』あたりに近いかもしれない。「Sorry Fahey」という曲名は、彼女のギターに影響を与えたジョン・フェイヒーへの目配せだろう。

ツアー続きの日々のなかで、立ち止まる場所を探していた人の歌集にも思えた。

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