たまに少しだけ贅沢をする。
それも100円とか200円のレベルで。
そうなるとパッと思いつくのは食べ物になる。食べるもの、晩酌の時につまむものを、たまに少しだけ贅沢にすることで満足度が高くなっていく。500円プラスするとか1000円プラスするとかではなく、少しだけ、100円だけ、奮発して200円、いつもよりちょっとだけ贅沢をする。
チーズや生ハムだと100円プラスのもの自体があまりない。1000円プラスとか2000円プラスとなって、もう特別の日仕様になってしまう。チーズや生ハムやサラミでちょっとした贅沢が出来ないのが少しもどかしい。
少しだけ贅沢な唐揚げ
たとえば鶏の唐揚げ。
よく買うスーパーやコンビニの唐揚げでもいいのだけど、基本的に「無(む)」である。食べてるときは「無」。スーパーの揚げ物って美味しいとも美味しくないとも思わなく、ただ口に運んで食べて、感想は「無」になることが多い。
一方最近コンビニの冷凍食品として売られている唐揚げが意外と美味しいことに気づいた。決して「無」ではない唐揚げが、気軽にコンビニで手に入ることが確認できてちょっと嬉しかった。
ただやっぱり鶏の唐揚げ専門店の唐揚げは旨い。全然違う。でも専門店だと約3~4個・約250gで540円。少し高くつくが、1つ1つが大きいので満足感もあり、ちょっとした贅沢さが味わえてとても良い。そして何より旨い。
少しだけ贅沢な「陸」
最近の晩酌で「陸」というキリンのウイスキーでハイボールを作っている。一応自分ルールとしては「陸ハイボール」は毎日一杯だけ。その際「陸」はきっちり計ってウイスキー35mlでハイボールを作ることにしている。
近くのスーパーで「陸」は500mlで1190円+税。やっぱりブラックニッカ クリアやホワイトホースと比べると少し贅沢だ。もちろんずっとブラックニッカやホワイトホースでもいいのだけど、一日一杯だけ「陸」を計量してハイボールを自分で作る時、なんだか少しだけ贅沢だな、ムフフって思う。
シングルモルトのように3000円以上するウイスキーはたまにバーで飲むから美味しいのであって、シングルモルトを家で飲む贅沢さは少し違う感じがする。なんとなく晩酌にシングルモルトは不釣り合いな感じがしてしまうのだ。
「たまに少しだけ贅沢」と言っておきながら、この「陸」というウイスキーは毎日一杯は飲んでいる気がする。いつまで続くのか分からないけど、そのスーパーが「陸」を置かなくなったらそれで終わりだと思う。
このスーパーは基本的に安い酒しか置いてなく、ジャックも無いしメーカーズマークも無い。だから目移りすることなく今まではブラックニッカ クリアかホワイトホースを手に取っていた。そこに「陸」が登場した。こうなると気持ちが揺らぐのだ。
よくよく考えると、ホワイトホースは35mlあたり50円以下になるのでほんと安い。そして「陸」だと35mlあたり80円ぐらいになるため、やっぱり贅沢なウイスキーなのだ。認識を改めないといけないかもしれない。
しかし改めて計算してみると居酒屋での価格差に驚く。それはそれ、これはこれ、という感じもするが、じゃあ晩酌でジャックでもいいか、グレンリベットでもいいかと、どんどん調子に乗ってくる。ここは「陸」が限界なのだと決めなくてはいけない。
少しだけ贅沢な醤油
夏だと毎日冷奴を食べる。
そしてたまに少しだけ贅沢をして堀河屋野村の「三ツ星醤油」を使う。ガスを一切使わず薪火で大豆を炊き、天然醸造で作った濃口醤油で、これが豆腐の味をより引き立たせてくれる。
ただこれは若干反則気味かもしれない。100円200円のレベルではなく醤油ひと瓶500円600円は高くなる。でも1回食べる冷奴に換算したら、そこまででもないだろうという自論を展開して、たまにこの旨い醤油をかける。
ただ美食家の北大路魯山人はこう言っている。
美味い湯豆腐を食べようとするには、なんといっても豆腐のいいのを選ぶことが一番大切である。いかに薬味、醬油を吟味してかかっても、豆腐が不味ければ問題にならない。
ここでは湯豆腐の事を述べているが、結局「豆腐」のいいのを選べと言うことらしい。でも一方で「しょうゆ 上等品に越したことはない。」とも言っている。
一丁350円ぐらいの豆腐を買うより、少しだけ贅沢するなら長く楽しめる醤油がいい。
たまに少しだけ贅沢をする。それも100円とか200円のレベルで。
でも意外と他に思いつかないんだよなぁと毎日考えている。
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