Small Things

感じたこと、考えたこと

もう元の生活には戻らない

年休(年次有給休暇)を取った。

でもどこかに行ったとか、何かをした、ということは特にない。それが現実である。

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たとえばお昼に外で何かを食べたとする。それでもし新型コロナウィルスに感染したり、濃厚接触者となったら、と考えてしまう。夜の外食を禁止もしくは自粛の通達が出ている会社も多いと思うが、「もしも」のことをあまり考えずに行動を起こし、結果感染、もしくは結果濃厚接触者となってしまう可能性はある。その可能性自体少ないのかもしれないけど、どうしてもリスクは存在する。

「もしも」のことが起きてしまったら、そこからはもう後悔の念に襲われ、会社から、家族から、知り合いからと、どうして今の時期にそこに行ったのか、本当に信じられない、まったく自覚が足りないと、かなり厳しい追及にあうのだろう。いや、あくまでも想像なのだけど、だからこそ家にいる。特にどこにも出かけなくなる。

基本的に誰も感染者を責められないし、感染者を責める社会はよくないことだと認識している。ただ実際はどうなのだろうか。会社からも、家族からも、知り合いからも冷たく責められる社会が存在するように思える。自分だけは大丈夫だと思って外で食事をしたり、みんなもう普通に戻っているから大丈夫だと思って行動した結果、潜在的なリスクが急に顕在化し、運も左右して、感染でした、濃厚接触者となってしまいました、となった場合、芸能人や有名人でもない一般人の周りの社会も、実は厳しいのではないだろうか。

以前は年休を取ってどこかに旅行したり、写真を撮影しに行くことが多かった。しかし今この時期に旅行なんてまだまだ行ける感じではないし、旅行することを周りにも言えず、旅先においてもあまり歓迎されないのかもしれない。となるともう旅行に行く意味を見い出すことが出来ない。そもそも数か月後に国内旅行には行ける、というイメージを持つことができないでいる。

FUJI ROCK FESの今年の開催が1年延期となった。では1年後だったら大丈夫なのだろうか。1年先であればFUJIもオリンピックも、そして旅行も普通にできるアフター・コロナの世界になっているのだろうか。いや、そうとは思えないのだ。1年後も今とそれほど変わらないコロナの時代が続いているのではないか。

これから今の鎖国状態を徐々に解除していき、海外との人的交流が再開されていくのかもしれない。そして1日10人の感染者の入国で大規模な流行が起こると西浦教授らのグループが試算している。そして流行前の生活に戻すと都内の感染者数は1日100人になるという試算も出ている。いや、それはそうかもしれないし、そこに驚きはあまりない。もう元には戻れないのかもしれない、という思いが強くなっていくだけだ。

現在世界中がスウェーデンの新型コロナウイルス対策は完全に失敗に終わったという報道を行っている。アンデシュ・テグネル博士が、厳格な都市封鎖をしなかったという判断によってスウェーデンで想定より多くの死者が出たことを認めた、ということらしい。いや、それはロックダウンをすれば死者が減るのは当たり前であって、都市封鎖後の世界、国際交流再開後の世界においてもスウェーデンの政策が間違っていたということになるのだろうか。それは誰にも分らないのにスウェーデンを攻め続けているように見える。

実は日本も英国も当初は普通に社会・経済を動かしたまま、感染の拡大をある程度に抑えながら集団免疫に向けて走り出していた。でも今はスウェーデン(と途上国)だけになってしまった。他の国は足並みをそろえて都市封鎖(日本では自粛・休業要請)を実行した。でもそれってワクチンができるまで延々と封鎖、解除、封鎖、解除、が数年間続いていくことになることは、どの国の政府だってわかっているはずだ。鎖国状態もずっとこのまま続いていくのかもしれない。

それだともうワクチンの開発スケジュール次第では、元の生活には戻らないような気がしている。元の生活に戻らないように、社会・経済が敢えて動かなくなるように、今の政策を日本を始めとする各国がずっと続けていくような気がしてならない。集団免疫しか道が無いということは、各国が思っているはずなのに、今さらそこには戻れないということなのか。そこがどうしても分からない。

だからもう、元の生活には戻らないんだろうなぁ、と思っている。

 

 

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