Small Things

感じたこと、考えたこと

休みの日の早起きと新しい音楽との出会い

休みの日は早く起きる。

いつもと同じ時間に目が覚めてしまうという理由もあるのだけど、朝のうちにウォーキングをしなければならない。朝のうちにウォーキングをする必要があるのだ。別に誰かに言われている訳でもないのだが。いや、先日管理栄養士の方に毎日ウォーキングをするという行動目標を立てて約束したのは確かである。しかし本質はそこではない。毎日のウォーキング、もしくは早歩きすることを追い詰めてくるのはApple Watchなのてある。

Apple Watchなんてたまに付けている人を見かけるぐらいで、装着人口はかなり低いと思われる。ただその中でApple Watchに追い詰められている人たちはどれくらいいるのだろうか。そんな状況下で戦っている人たちに今まで出会ったことはないが、僕は確実に追い詰められている。それだけは確かだ。

Apple Watchにアクティビティというアプリがある。これがしたたかに日々追い詰めてくるのだ。

www.apple.com

ムーブ、エクササイズ、スタンドという、3つのリング。これらを毎日完成させるという、1つのゴール。いつもやりたくなるほどシンプルで楽しい方法で、あなたの毎日をもっと健康的にする。そんな発想から作られたのが、Apple Watchのアクティビティアプリケーションです。

https://www.apple.com/jp/watch/close-your-rings/

この3つのリングを毎日完成させるというゴールに日々追いつめられている。いや、大人なのだからやめてしまえばいいのだけど、いま673日連続でムーブ記録を更新中という厄介な理由がある。今まで必ず3つのリングを毎日完成させてきたので、エクササイズもスタンドもおそらく連続記録更新中のはずだ。

例えば1日家にいるとムーブ(赤)とエクササイズ(緑)のクリアーはなかなか難しい。家の中で掃除をしたり、庭仕事をする事でリングは進んでいくが、リング完成となると外を歩いた方が早い感じがする。エクササイズは30分以上の早歩きが基本だが、「その他」というワークアウトを選択して、家でスクワットでもやっていればクリアできるものの、これはApple Watchに負けた気がする。やはりウォーキングかジョギングか自転車が手っ取り早いが、今はあまり外でがっつりワークアウトというのも抵抗がある。

そこで僕は仕方なく休みの日でも早く起き、朝6時台にまだ人も少ない道を早歩きで進んでいく。遊歩道もあるのだけど、朝早くからそれなりに人がいる。今はジョギングしている人、特に後ろからマスクなしで走り去って行く人が少し怖いので、人気のない道を探して歩くしかない。

だがAppleWatchのワークアウトであるウォーキングを選んで歩き始めてもカウントがなかなか進んでいかない時がある。これがよく分からない。かなりの早歩きで歩いているのにカウントされない。これがイライラする原因の一つだが、もっと早く歩けということなのだろうとより歩く速度を増していく。次第に普通にランしてたりする。これはウォーキング特有の現象かもしれないが、確かにランニングを選べばこんなストレスは無いのかもしれないが「フィットネス調整データをリセット」という項目をすぐ押したくなる。

休みの日も朝の5時に起きて、マスクをして、外を早歩きで歩き始める。この日は藤井風の「HELP EVER HURT NEVER」を初めて聴きながら歩き始めた。いい。実にいい。2020年のこの時期に藤井風という才能が出現してきたこと、今後激変する世界に対しての高らかなメッセージでは決してないこと、藤井風が今伝えたいシンプルな歌だからこそ不安な毎日を送る僕らの心に響いてきたこと。

コロナの時代に早起きしてAppleWatchと共に誰も歩いていない道をウォーキングし、先行きの見えない危機の中で過ごしていく僕らの日常の中に、藤井風の音楽、そしてその声に震わされたのは現実なのだ。 しばらくはウォーキングするたびに聴き続けたい、そして毎日ずっとリングを閉じるために歩こうと思った。