Small Things

感じたこと、考えたこと

酒は1人か3人か6人で飲むのがいい

居酒屋でひとり静かに酒を飲む。

もちろん数人で飲む時もあるが、結局家に帰ってから飲み直す時はひとりになる。毎日の晩酌も家族はいるが、ひとりで飲むことに変わりはない。自分のペースで飲みたいように飲む。小説を読みたくなったら読みながら飲む。何か書きたくなったらノートにペンで書き綴る。ポメラに打ち込みながら飲む時もある。じゃあいつもひとりがいいのか、と言われるとそうでもない。やっぱりひとりが寂しい時もある。おいおい、そうなのかと自分に疑義を唱えたくなるが、実際そうなんだと思う。いろいろな話をしながら楽しく飲みたい時もある。でもひとりの方が誰への気がねもいらないことは確かだ。そしてひとりの時は考えることができる。仕事の事、自分自身のこと。群衆の中の孤独に身を置く自虐的な楽しみもある。

そうは言っても仲のいい友達と飲むのは楽しい。特に趣味が合う仲間と飲むのはとても楽しいものだ。仲間達と飲みたいと思った時は自分で幹事をする。なんだ、結局みんなと飲みたいんだ、ひとりじゃ寂しいんだ、という声がどこからとなく聞こえて来そうだが、そんなことは気にせず勢いで幹事をする。

幹事は確かに面倒だと思う。みんなのスケジュールを確認して、連絡して、店に予約を入れ、リマインドを送って、当日のドタキャンをどうするか、二次会は、とかなり重責を担う。ただ自分の馴染みの店を選ぶことができる、自分が気になっている店に行くことができる、そして何人で飲むか、どういうメンバー構成にするかも幹事に任せられることが多い。

まず理想的な人数としては3人がいい。少ないと思うかもしれないが、3人だと3人で楽しく話してもいいし、2人で話している時1人は休んでいてもいい。意見が割れることも少なく、あー飲んだー食べたー楽しかったーで終わることが多いような酒の席になる。

4人で飲むのは居酒屋で定番だ。若干丁々発止の議論を肴に酒を飲む感じになるが、社会や文化の話題に血道をあげるのも楽しくなる。ただ2対2で意見が割れることもある。まぁまぁとなればいいし、大人なのだから、まぁそういう事もあるよね、で終わることがほとんどだけど、少しピリッとした空気になる時がある。

いま自分が幹事をするなら多くても6人までかな、と思う。端と端の人が話せる限界が6人であり、馴染みの店だからこそ基本的なメニュー構成を考えながら、自ら鍋奉行、焼肉奉行を率先して行い、幹事としての役目を果たしていく。その状況で他の人に気を遣うことが出来るのも6人が限界なような気もするし、5人、6人となると場も盛り上がる。7人以上はもう宴会である。そして知らない人がいるともう落ち着かない。

では2人で刺しで飲むのはどうなのだろうか。それはずっと話し続ける必要がない人、共通の間(ま)や沈黙を共有できる2人であればとても居心地がいい。そして日本にはお酌という酒を注ぐ楽しみがある。さしつさされつという独自のコミュニケーションには無言の好意を所作で表すことが出来る。相手からお酌された時、それが会社の上司であれ、夫婦、恋人で喧嘩をしている時であれ、お酌されることでその気持ちが少しづつ和らいでいく。無言の酌とその間がとても心地良い。ただ、今日本酒は冷酒で一杯づつ飲む方が多く、お燗してもらって升で飲むこともあるため、さしつさされつは絶滅危惧種なのかもしれない。

結局酒は何人で飲むのがいいのか。それはひとりで飲む、喋らずとも間の合うふたりで飲む、そして気の合う仲間達と飲む、そこに共通するのは居心地の良さだと思う。

知らない人と酒の席で仲良くなることもなくは無いが、やっぱり気心知れた気の合う仲間と飲む酒が楽しく、そしてなにより6人ぐらいまでなら気持ちよく飲むことができる。ひとり飲みの時も居心地よく、気持ちよく、きれいに飲みたい。でも心の中では3人で飲むことが好きだ。結局苦手なのは大人数の宴会ということになるのかも知れない。

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