Small Things

感じたこと、考えたこと

銀座には馴染みの店が未だない

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銀座のジムに通っている。

たまにジムの話題になると「えっすごい」とか「カッコいい」とか言われることが少なくない。現実はまったくその逆で、お洒落でもなく、カッコよくもなく、地下で黙々と有酸素運動(たまに勢い余って無酸素運動)をするだけである。汗をかきシャワーを浴びて帰ることになるが、地下鉄の中では汗がずっと引かず、真冬なのに流れ出る汗を必死に車内で拭きまくる自分。銀座のジムと言えども実態はこんなもんである。

ただジムのおもしろいところは、来る時間がだいたい決まってくるので、なんとなく他の会員と顔見知りになるのである。もちろんボッチが基本なのだけど、少なくとも会釈やあいさつはするようになる。そしてとても薄いなりにも繋がりは構築されていく。

そのまま一人黙々と通うのでもいいのだけど、何かしらのきっかけで今まで以上に仲が良くなっていく時、逆に距離をおいたままの時、そこには様々なドラマがあったり、なかったりする。いや、ドラマなんてほとんどないのだけど、今度ご飯でも行きましょうか、軽く一杯飲みますか、となることはある。

ジムのメンバーと飲む時は、ジム終わりか、休館日が多いく、数人で飲むならやっぱり新橋がいいかなと思う。銀座からだと地下鉄ですぐだし、歩いても行くこともできる。そしてサラリーマンの街という赤ら顔したSL広場のおじさん達のイメージというよりは、比較的コスパ良く男女共に楽しめる店が新橋には多い。ただ店選びだけは慎重に行いたい。基本は、やきとん屋、中華屋(餃子)そして魚金グループ。とにかく混んでいる店はいつ行っても満席で、いっぱいかガラガラに別れる。ただよくわからなければ魚金(Uokin)グループにしておけば間違いない。但し予約は必須。魚金でなくても新橋は必ず予約をしたほうがいい。二次会の店を探す時も一次会の店を出る前に電話だけは一本入れておいた方が無難である。

でもたまに銀座で、となる時もある。これはジムに限らず、二人で、三人で、四人でとなると少し悩む。銀座で楽しく、美味しく、コスパ良くなんて基本あまり無いし、迷ったら魚金的な店は無く…いや、あるか、UOKIN PICCOLO 銀座店。あとやはり、行ったことのない店だと心配になる。

それと二人なら東銀座の和食 歌舞伎座裏まさし、時喰み、5丁目の蕎麦 真田、あなご屋ひらい、6丁目のすき焼き花大根、焼き鳥のんちゃん、こびき、とどこも美味しく楽しめる。ただ複数人で行って最後に「では男性は9000円、女性は7000円で」とか、なかなか言いづらい。また人数が未確定だと前日までにコースを頼んでおくことも難しい。

よって6丁目の水炊き 笹二、百菜百味 銀座店、東銀座のステーキハウス チャイム、あと安定のUOKIN PICCOLOな感じかな、となってしまい毎回代わり映えがしない。

結局人数がいる時は断然新橋へ、二人で刺しで飲む時は、それこそ銀座でゆったりと。でもやっぱり馴染みの店が銀座に少ないことがそもそもの原因なのだと思う。じゃあ今回はあそこにしよう、とすぐには思いつかない。特に行きつけの銀座の老舗など皆無であるし、実は銀座では寿司屋にも行ったことがない。新卒で働き出してから銀座はそう遠い街では無かったが、銀座で馴染みの店を作るのには資格が必要な気がしていたのかもしれない。そして銀座で食事をすること自体が畏怖の対象になってしまったのだ。

久しぶりに「ステーキハウス チャイム」でお腹いっぱいステーキを食べた。もちろん美味しくいただいた。ここは友人に紹介されて以来、比較的頻繁に通っている店だが、住所は築地1丁目である。でも「銀座の老舗のステーキ屋が馴染みで、よく行くんだよね」と友人に言うことがある。でもその店のマスターはおそらく私のことは覚えていないと思う。それなのに馴染み感を一人で醸し出し、いささか複雑な想いを抱きながらも、毎回元気に食べている。「銀座の老舗」でステーキを。

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