Small Things

感じたこと、考えたこと

本を読みたい時はKindleで買うのかAmazonマケプレで買うのかブックオフで買うのか

向田邦子のエッセイを読もうと思った。

そう思った時、普通はKindleから探す。でも向田邦子のエッセイのタイトルが分からない。Amazonでひとつひとつ説明をみながら、以下のようなリストをまず作った。まだあるのだろうけど一旦この7冊から読み進めてみたい。

  • 父の詫び状
  • 霊長類ヒト科動物図鑑
  • 無名仮名人名簿
  • 女の人差し指
  • 眠る盃
  • 夜中の薔薇
  • 男どき女どき

まずAmazonでKindle版を確認する。うむ...高いな…いや、文庫扱いの定価販売なので本としては特に高くはない。セールではないので普通の定価だが、何故か高いな、と感じてしまう。本ぐらい値段を気にせず買える大人になりたかったが、今でも値段は気にしてしまう、ちっちゃい男だ。

新刊の紙の単行本とかはホイホイと買ってしまうのに、過去の名著と呼ばれる本をKindleで買うとなると、なぜか定価だとちゅうちょしてしまう。セールだったら即買うのに定価だと買わないというこの謎の心理。

仕方なくAmazonのマーケットプレイスをみる。向田邦子の文庫本で1円はあまりなく50円から200円ぐらい。これに各書店が決めた送料がつくと。350円から500円ぐらいとなる。文庫本の定価は726円。もうこうなってくるとヨドバシのオンラインで紙の新品文庫本でいっかと思う。一応昔の単行本も見てみる。もう完全に古書なので書影もデジカメ画像で、価格も1円。これはこれで貴重なのだけど、ヤケ、シミありなので、んーーそこまでして買うかどうか。

次はメルカリを見てみる。送料込みなのでどうしても文庫本は1冊300円以上となる。ササっと検索してざっと見て終わる。向田邦子セットも特に無し。

もうここまで来るとブックオフである。会社近くのブックオフに寄ってみるが100円コーナーには思い出トランプのみ。通常コーナーでも小説中心でエッセイは無し。手放す人が少なく流通自体あまりないのか、そして出たとしてもすぐに売れてしまうのか。

さてどうするか。新品の文庫本を買うならヨドバシ.comでGOLDポイントカード払いがポイント10%つくためAmazonよりも断然ヨドバシだが、新品の紙の文庫本の場合どうしても気になってしまうことがある。それは小口の研磨本の存在である。

研磨本とは本屋で売れ残って汚れてしまったり、日焼けしてしまった本に対して、ページの端の部分を研磨して(ヤスリで削るイメージ)新品として販売している本のこと。この是非は散々語られているので良し悪しは理解しているのだけど、単純に研磨本は避けたいのだ。というか新品なら買いたくない。古本ならヤケもシミも研磨跡もまぁ仕方ないか、という感じになるが、新品の研磨本だけはほんとつらくて、気持ちがやさぐれてしまうのだ。よって発売からかなり経過している文庫本はたとえ新品として売られていようが小口の研磨本にあたる可能性が高いので、本屋に行くしかないことになる。

ここまで来るとほぼ詰んでいる。

あとは文芸春秋社や講談社のKindleセールを待つか、ブックオフや神保町を散歩しながら地道に探すしかない。ただ、今読みたいのだ。向田邦子のエッセイを今読みたいのだ。となると、もう買うという事から離れて図書館か、となる。着地がそこでいいのか、という気もするが、ここまで来ると仕方ない。

図書館の予約システムにアクセスして向田邦子を探してみる。新装版の文庫のエッセイは蔵書数も少なくすぐには借りられないようだ。むむ。そして全集という文字に目が留まる。向田邦子全集。この神々しい「全集」という響き。さすが向田邦子だけあって全11巻と別巻2冊の全集である。2009年から2010年にかけて出版されたようで誰も借りていない。大きさは四六判で280〜300ページぐらい。エッセイは5巻めから始まるので数冊予約した。明日には受け取れるだろう。全集なんて読んだことないが俄然楽しみになってきた。

本ぐらい値段を気にせず買うことができるようになりたかった。でもそれが未だに出来ずにいる。このプロセスも楽しいと言えば楽しいし、古本屋に行くのも確かに楽しい。ただそれは言い訳である。Kindle本が定価だと買えない病はもう一生治らないのかもしれない。

父の詫び状 向田邦子全集〈新版〉 第五巻

父の詫び状 向田邦子全集〈新版〉 第五巻

  • 作者:向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08/27
  • メディア: 単行本