ポメラDM200を買った。それも発売から3年以上経った2019年に。
しかしまったく使わなかった。
ポメラというのはテキスト入力に特化したデジタルメモツールである。文字入力しかできない。ただ2008年発売の初代ポメラDM10から仕様面、機能面共に進化してきている。
- 7インチワイドTFT液晶、バックライト搭載
- キーピッチ17.0mm(横) 15.5mm(縦)のキーボード
- 最適化された賢いATOK
- 無線LAN搭載
- iPhoneのメモアプリと双方向で文章編集可能
- Evernote等にテキストファイルをアップロード可能
- 類語辞典を含む各種辞書機能搭載
と、文章入力に集中できる機能アップがユーザに受け入れられたことは間違いない。
そして価格は今でも(2020年1月)Amazonで36,000円ぐらいであり、kakaku.comによる価格推移グラフをみても、ここ2年間35,000円前後で安定しており値崩れもない。テキスト入力ツールなのにである。
かなりの人気なのである。
そして様々なレビューにおいても絶賛に次ぐ絶賛であり、文章を書くことだけのデバイスへの愛が皆さんすごいのだ。どうもポメラ愛用者のことをポメラニアンと呼ぶらしいのだが、羽田圭介さん、乃木坂46の高山一実さんも愛用しているとのことで、やはり「文章作成だけに集中できる」ことが評価されているようだ。
そうなのだ。文章入力しかできないポメラ、もちろんネット機能は付いていないポメラ、だから文章作成に集中できる、この点をほぼ全員が絶賛しているのだ。
この「気を散らすもの」を撃退するというのは、『時間術大全~人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』という本においても語られている。そこには、気が散らないiPhoneを試す、ログアウトする、通知をオフにする、ホーム画面をからっぽにする等、「注意の切り替え」を減らすための戦術がいろいろと提案されている。
それをあえて機能を絞り込むことでハード的に実現しているのがポメラであり、10年間にわたって徹底的に作り込んできたその歴史と共に受け入れられているのだと感じた。
ただ使わなかった、ポメラ。
液晶もキータッチもATOKもとても気に入っている。ただ自分の場合は文章を打ち込む際に、人名や地名を含む固有名詞、そして英語のスペル等、絶対に間違えてはいけない言葉は必ずコピペで貼り付ける。それを誤字脱字、スペルミスを恐れながら自分でタイプしていくということがどうにも慣れない。
いやそんなの買う前から分かっていたことなんだけど、長文を入力していくからこそ固有名詞、人名、書籍名、アーティスト名、CDタイトル等が数多く登場し、やはりフィクションである小説を書く人向けなのかとも思った。
ポメラは電源をつけたらすぐにテキスト入力ができること、そしてネットが使えないからこそ、書くことに集中できるマシン、というこのコンセプトを受け入れられるかどうかがすべてだと思う。もう少し自分なりの使い方を真剣に考えていく必要があると、新年早々気が重くなっている。日本酒飲みながら考える。
よろしければこちらもどうぞ