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ジャズCD ベスト・セレクションを読みCDを1枚1枚やっつけていく

油井正一さんの「ジャズCD(新潮文庫)」という本が届いた。

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また懲りずにジャズ本であり、またディスクガイド本であり、中古本であり、絶版本である。今回はAmazonマーケットプレイスで注文して送料込みで351円。メルカリでは定価以上での取引が多い文庫本である。タイトルは「ジャズCD」で、サブタイトルが小さい字で「ベスト・セレクション」、とてもわかりやすい。平成4年発行ということもあり、LPで発売されていたジャズ・レコードが徐々にCDへと移行していき、CD全盛時代に入ったころのジャズCDの本である。

油井正一さんが当時のジャズCD500枚を選んでおり、CD黎明期のベスト盤やコレクション集が多く含まれている。よってディスク・カタログとしてはそこまで機能しないと思うが、油井さんによる140字のCD評が楽しめる文庫本、という割り切りがいいと思う。 定価以上で買う必要もない。

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しかしジャズにおいてピアノは本当に人気がある。小さいころからピアノが身近な存在にある楽器として日本人に親しまれてきたこともあり、この本でもピアノは大きく取り上げられている。チック・コリア、オスカー・ピーターソン、ソニー・クラーク、デイヴ・ブルーベック、ハービー・ハンコック、ウイントン・ケリー、ホレス・シルヴァーと多くの盤が紹介されており(ビル・エヴァンスやセロニアス・モンクはジャズ・ジャイアンツとして紹介されている)デューク・ピアソン、ザ・スリー・サウンズ、アンドリュー・ヒルなどもラインアップされており、聴く楽しみが増えていくきっかけになる。

ただ500枚と言われても、やっぱり1枚1枚じっくりと10回以上は聴いていかないと、なぜか「やっつけた感」が出てこない。これはジャズ特有の事象かもしれないが、1回目は正直よく分からないまま駆け抜けていき、3回目でなんとなくリズムが刻めるようになり、5回目ぐらいからソロパートが把握でき、7回目ぐらいからなんだか分かってきたようになり、10回目で調子に乗って「もう耳タコだな」という言うまでが1枚の流れである。

本当にジャズを楽しんでいるのか、ちょっと分からなくもなるが、このやっつけたくなるジャズの名盤たちに対峙していく毎日なのである。この油井正一さんのジャズCD500枚すべてをやっつけていく事は難しいけど、意外とコストがかからない沼なので、この地味な沼を結構楽しんでいる。よってジャズ本は必須である。

ジャズCDベスト・セレクション (新潮文庫)

ジャズCDベスト・セレクション (新潮文庫)

  • 作者:油井 正一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1992/08
  • メディア: 文庫
 
ジャズ・ピアノ―ベスト・レコード・コレクション (新潮文庫)

ジャズ・ピアノ―ベスト・レコード・コレクション (新潮文庫)

  • 作者:油井 正一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 文庫