Small Things

感じたこと、考えたこと

ジャズの本を買ってジャズを聴く、そしてまたジャズの本を買う

またジャズの本を買った。

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ジャズがものすごく好きでもなく、またジャズに詳しいわけでもないのだけど、ジャズの本を中古本・古書で探してきて読むのが好きなのだ。そのジャズの本を読みながら解説してある様々なジャズのアルバムから一枚づつ聴いていく。でも大抵その内飽きてしまうのか、通常運航のロックやソウルの新譜や名盤を聴き始めてしまう。

以前はジャズのガイドブックを読んでいても、そのアルバムを買いに行く必要があった。中古CD屋に足しげく通い、とにかく枚数を聴きたいので、輸入盤中心にリマスターでもない旧規格の音圧低めのCDを何枚も買った。ただジャズに関してはやはり聴きまくったという記憶はあまりない。結局4,5枚聴いたらまたロックやソウルに戻っていったのではないか。それは今も変わらない。まったく成長してない。

それが今はサブスクでいつでもどこでも、ガイドブックに掲載されているアルバムを聴くことが出来る。その環境の変化もあってまたジャズの本を店で見かけるとついつい買ってしまい、紹介されているアルバムを帰りの電車の中で聴き、家に帰って酒を飲みながら聴き、翌日の通勤電車の中でも聴くことができる。なんて素晴らしいのだろう、と思う反面、そのアルバムを何度も繰り返してじっくりと聴くことは確実に少なくなってきている。

今回は油井正一さんの「生きているジャズ史」 の文庫が250円だったのですぐ手に取った。大正7年生まれの油井さんだからこそ書くことができる文章であり、ジャズの創世記からマイルスの「ビッチェズ・ブリュー」までの考察は大変素晴らしく、ユーグ・パナシェ氏や大橋巨泉さんのジャズ評をばっさりと斬っていくのもたいへん面白く、やはり油井さんの著書を探して、見つけて、買って、読んで、そして紹介されているジャズを聴く、という一連の流れがとても楽しい。 

後藤雅洋さんの「ジャズ・レーベル完全入門」という単行本は初めて見た。後藤雅洋さんの著作は単行本の「ジャズ・オブ・パラダイス」を買ったのが最初であり、後藤雅洋さんの著書も見つけたら必ず手に取ってみる。ブルーノートからスティープルチェイスまで、27のレーベルから511枚のアルバムが紹介されており、これはジャズ初心者としてはとても参考になる。増補版も出ているらしいが今回手に入れたのは2005年発行のものだった。これは楽しい。

そして中山康樹氏の「マイルスの夏、1969」も450円だったので買ってみた。「マイルスを巡るエレクトリック・サークルの謎に第一人者が挑む。」との事だが、正直「謎」と言われてもよく分からない。既に休刊となっている「en-taxi」という文芸誌に連載されていた「イン・ア・サイレント・ウェイ」「ビッチェズ・ブリュー」を中心としたマイルスの創り出したジャズの変遷をまとめた論評のようだ。この周辺を聴きこんでないため、読み進めていてもまだまだ中に入り込めないが、最後のマイルス・デイヴィス作品解説と関連人物/アルバム紹介は圧巻でありこのリストと解説には圧倒された。もう掲載されているジャズを1日中聴きまくりたい衝動に駆られてくる。そしてウザいと言われながらも誰かに語りたい、そんな感じになる。 

そしてまたジャズを聴きながら、中古CD屋、古本屋、古書店巡りをして、今度こそジャズを聴くぞと決意する、そんな毎日。

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生きているジャズ史

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  • 作者:油井 正一
  • 出版社/メーカー: シンコーミュージック
  • 発売日: 1998/12/10
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ジャズ・レーベル完全入門

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  • 発売日: 2005/02/17
  • メディア: 単行本
 
マイルスの夏、1969 (扶桑社新書)

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  • 作者:中山 康樹
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2010/01/30
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