Small Things

感じたこと、考えたこと

大阪でお昼に食べたサバの塩焼き定食の優しい味

大阪で昼飯を食べた。 

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すでに12時半過ぎだったので少し不安だったが、よくランチに行く一軒飲み屋の小さな居酒屋へと向かった。その居酒屋におけるランチのシステムは、カウンターに並んでいるメインのおかずを指定してから席で待つタイプ。ただ普通に食欲がそそられるのはハンバーグとトンカツぐらいであり、他のフライ盛り合わせ、野菜炒め、とんぺい焼きなどは、なんとなく避けてしまう。

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トンカツもハンバーグもおばちゃんによる自家製アピールのプレゼンが必ず入るが、確かにおいしい。ただこの日はもう時間的にも何か残っていればいいな、という感じで店へと向かった。

そして部下と二人で暖簾をくぐったところ、店のおばちゃんと目が合い、おじちゃんと目が合い、そしてメインのおかずがあと何かフライみたいな1皿しかないようだった。あっ無理かな、と思った瞬間、申し訳なさそうな表情のおばちゃんに「ごめんねー」と言われたので、「いえいえ、また来ますねー」と言って引き戸を閉めた。まぁこの時間だから仕方ないし、じゃあどこに行くかな、と部下と話しながら歩いていた。そうしたら後ろから

(扉の引き戸を)ガラガラー「お兄さんたち!なんか作るよーーー!」

と、おばちゃんが大きな声でこちらを向いて叫んでいた。部下は「なんかって、なんでしょうね」と言いつつも、僕らはその居酒屋へ足早に戻っていった。何をつくってくれるかはわからないけど、そのおばちゃんの心からのシャウトに心打たれたのだ。

店に入ると、どうやら鯖(サバ)を焼くことが出来るらしい。この居酒屋はお父さん(おじちゃん)が調理担当で、お母さん(おばちゃん)がサーブ担当という役割になっている。僕らはその残っていた謎なフライのことは忘れて「じゃあ鯖焼きを2つお願いします」と鯖をたのんだ。

出てきた鯖は小さかった。でもこの店は小鉢が2つ付いて、お新香が付いて、最後にアイスコーヒーも出る。そして値段は580円である。税込み580円である。もう鯖が小さいとかどうでもよく、ランチ難民の僕たちを救ってくれたお母さんの優しさと、昼の仕事が終わろうとしていた時に、お父さんが鯖を焼いてくれた心意気が嬉しかった。

そして鯖はおいしかった。小鉢の味もしっかりとしていて、ご飯はおばちゃんの「こんなもんでええかー?」と言いながらの大盛りで、とても優しさに満ち溢れたランチだった。ただ大盛りのご飯と小さい鯖が釣り合わず、ご飯は残してしまった。おばちゃん、ごめん。

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