Small Things

感じたこと、考えたこと

金曜日に対して無防備に向き合いたい

やっと一週間が終わった。

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今年から12月は祝日が無いため、年末まで週5日間働く事になる。それって当たり前と言えば当たり前なのだけど、一週間働いて土日休んで、また月曜日を自然と迎えることになる。そしてまた金曜日が来ると、やっと金曜日だ、という感じになる。

月曜日の時点ではそれ程金曜日が待ち遠しくは無い。まだ一週間が始まったばかりということもあり、できる限り金曜日の事は考えないように過ごしているのかもしれない。週明けから週末のことを思うなんて、少し悔しいという感情もある。

水曜日になってくると、なんだか金曜日の事が気になり始める。「まだ水曜日だな、あと木曜日を挟めば金曜日だな」という何気ない事を頭の中で反復したり確認したりする。この水曜日というのは週の真ん中であり、ここを乗り越えれば勢いで金曜日までいける、という根拠のない自信もある。水曜日は夜の居酒屋にも人が多く、週の真ん中酒を飲んで頑張ろう、と思っている人が意外と多いのかもしれない。

木曜日になると完全に金曜日の事で頭がいっぱいになる。「よし、明日が金曜日だな」と当たり前のことを一応確認する。あと1日乗り切れば金曜日がきて、その先は土曜と日曜が待っている。土曜日と日曜日のことを考え始める木曜日も結構好きだ。そして夜の居酒屋において木曜日は空いていることが多い。意外と木曜日が定休日の店も多かったりするが、木曜日は家に帰って皆金曜日をじっと待つのかもしれない。

若い頃もこんなに金曜日が待ち遠しかったかどうかは定かではないけど、この水曜日と木曜日における、金曜日がついにやって来るんだ、という待ち遠しさと異常なたかぶりは冷静に考えると少しおかしい。月曜日と火曜日はまだ金曜日など遥か遠くの存在であり、金曜日の事なんか全然気にしてないんだからな、という少し遠めの距離感でのぞむのに、水曜日、木曜日となるともう金曜日一筋となり、金曜日のことしか考えられなくなる。

お酒に関しては、月曜日と火曜日は普通に飲んでいる。もちろん翌日が仕事なので無茶はしないものの、外で飲んでも家で飲んでも、そこまでセーブしながら飲むということもない。では水曜日となるとどうなるかというと、何故か日本酒とワインはやめておこう、黒糖焼酎のソーダ割りか、泡盛の水割りか、芋焼酎のお湯割りにしておこう、といった意識の中で飲むことが多い。この金曜日に向かって酒の種類や量を水曜日ごろからセーブしていく感覚が少し面白い。金曜日のためにここまでするのも少し悔しいけど仕方ない。

そしていよいよ金曜日の朝をむかえる時が来た。金曜日は必ずやって来るとはいえ「おー来たか、ついに来たか」と上から言いたくなる。そして仕事は仕事としてこなしながらも、ふとした瞬間に夜のプランを考える。その金曜日の夜のプランを一人で検討する過程がなんだか妙に楽しい。その検討は木曜日にはしたくない。金曜日の朝から昼、そして夕方に至る、その合間合間に少しづつ検討するのがいいのだ。

この日はブリの刺身と秋鯖の塩焼きをつまみながら酒を飲むと決めた。そしてそのあとは牛ロース串をつまみに行こう。明日の事を考えなくていい金曜日の予定はその日に決める。もちろん金曜日の予定が前もって入っている時もあるけれど、なるべく金曜日は予定をあけておいて、朝から一日中金曜日の事を考えていたい。

ずっと待ち続けた金曜日。金曜日の事ばかり考えていたなんて、金曜日本人にも言えないし、そんなこと誰にも言えない。金曜日に対して無防備に向き合いたいのだ。

 

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