湯豆腐一丁に辛子を塗る。そしてネギとかつお節をかけて食べてみた。この旨さ!
日本三大居酒屋湯豆腐
居酒屋巡りで有名な太田和彦さんが日本三大居酒屋湯豆腐を選定しており、横須賀「銀次」、盛岡「とらや」、伊勢「一月家(いちげつや)」となっていたが、「とらや」閉店に伴い、今は横須賀「銀次」、伊勢「一月家」、そして昼は材木店、夜は居酒屋という京都「井倉木材」が現在の日本三大居酒屋湯豆腐らしい。
その中で横須賀の「銀次」という居酒屋では、鍋に温まる湯豆腐一丁に辛子をぺったりと塗り、削り節と葱を山のようにかけ、醤油をたらりとまわして食べるらしい。これは気になる。とっても気になる。
豆腐一丁でつくる湯豆腐
横須賀まではなかなか行く機会がないため家飲みの時に試してみる。まず湯豆腐というか温豆腐、温奴な感じなのだろうと想像し、土鍋に昆布と水を入れてしばらく置き、木綿豆腐一丁を入れて火にかける。強火なのか弱火なのかわからないので、取り敢えず弱火で煮立てないよう温める。
北大路魯山人曰く
約五分位で、火さえ強ければ、初めてぽっと煮え上がる。その時豆腐を箸でおして見ると軽い弾力ができていて、肴の白子かクリームのようにぽとぽとしていい煮え加減になっている、その刹那がうまい。
-北大路魯山人 湯豆腐のやり方
と、魯山人は強火で鍋の蓋をして、豆腐に弾力がつくぐらいが丁度いいとしている。但し魯山人は豆腐一丁ではなく三寸に切るようだ。自分はいつもこのフツフツしてくる辺りは適当になってしまう。
辛子を塗る
豆腐は熱すぎても冷たくてもいけなく、いわゆる「スが立つ」のを防ぐ必要がある。しかし普段料理をしないので今ひとつピンとこないが、そもそもこんな小鍋じゃまったく分からない。
そして火を止めて、いよいよ辛子をペタペタと塗る(写真萎え)。特に特別な辛子は用意していないので、普通にチューブのねりからしを塗る。さすがにここで大胆な塗り方をすると危険な感じがするので控えめに、控えめに、と自分に言い聞かせる。
鰹節と刻み葱を盛る
そして鰹節をかけて、刻み葱を盛って完成となる。一丁そのままの温奴。小鍋から出してから直接醤油をかける方がいいのかもしれないが、今回はこの状態で豆腐を少しづつすくって、醤油につけながら食べる形にした。
単に醤油につけて食べる。旨い。だし汁を加えても構わない。しかし、辛子のツーーーんとくる感じが効く。これが美味い。そしてもちろんあたたまる。ちなみに一味唐辛子をぱらりとかける食べ方もあるようで、今度は辛子を塗らずに一味で味を引き締めながら食べてみたい。
温奴の素晴らしさ
焼き海苔を入れるとまた美味しくなる。「とらや」では、豆腐一丁に鰹節と葱と海苔の山盛りに、やはり一味唐辛子がふってあったらしい。やっぱり海苔と一味なんだな、と次回のテーマが出来た。
もちろん今回のカラシと鰹節と葱と海苔、そして醤油をかけまわして食べる美味しさは絶品である。豆腐が一丁もあるので、かなりお腹がふくれるし、豆腐なので罪悪感無し、糖質制限も(おそらく)問題無し。ほんと温奴って素晴らしい。今日も温奴で今度は一味をかけて食べたい。