チキンカツという文字をメニューに見つけると嬉しい。
「おっ」となる。「おっ、あるな」って思う。そして「どれくらい大きいのか」と思う。そして「今日はチキンカツだな」となる。この連鎖がとても心地よい。
チキンカツの魅力
チキンカツは居酒屋より定食屋で食べることが多い。上野の「肉の大山」では生ビールとビックチキンカツ定食という選択肢もあるが、普通の居酒屋においては鶏の唐揚げに押され気味であり、チキンカツというメニューは少ない。
実際生ビールにチキンカツだとそれだけでお腹一杯となり、即お勘定という事になりかねない。チキンカツはコスト面で豚よりも有利なため、大きいまま揚げられる傾向にあり、やはり定食屋で食べたくなる。そして意外とトンカツには裏切られることが多いのも事実。業務用の冷凍トンカツが店で出されると揚げ方にもよるのだろうが、かなり残念な気持ちになる場合もある。
ミックスフライの安定感
この日は定食屋に行って実は最初からミックスフライ定食と決めていた。ミックスフライには大好きなメンチカツが入っており、アジフライ、イカフライ、カキフライという組み合わせなので間違いはない。ただしそれよりも高い値段の「ヒレカツ定食」「トンカツ定食」「チキンカツ定食」という札を見つけた。この3つが同じ値段である。その瞬間完全にチキンカツのモードになった。
ヒレカツとチキンカツが同じ値段なのである。これはもうチキンカツに期待するしかないではないか。
ザ・チキンカツ定食
比較的早めに運ばれてきた。これぞチキンカツ定食。食べる前のこの時点で満足度が高い。「そうそう、こんな感じだよね」とほくそ笑む。注文した時に抱くイメージとほぼ同じものが来た時の嬉しさは計り知れないものがある。もちろん注文時より期待以上のものが出てきた時も嬉しいが、チキンカツはまず見た目がすべてなので、あまり巨大すぎても大変な事になる。イメージのまま出てきてくれた事に感謝する。
いい肉チキンカツ
チキンの中では、鶏のから揚げやチキン南蛮に後塵を拝するチキンカツではあるが、定食となるとこの堂々とした風格で他を圧倒する。このキツネ色に納得し、揚げたての湯気に心躍らせ、何よりとんかつよりも大きく、この迫力のある身とその量が嬉しくなる。
ソースをかけて、ガブっといく。そのさっぱりとした噛み応えがチキンカツだな、と思う。
チキンカツはチキン一族の中でも、カツ一族のなかでも、その地位はあまり高くない。あるカツ専門店においてもチキンカツの存在は限定メニューでしか登場せず、その存在をあまり公にはしていない。でも決して裏切ることのないチキンカツ。いい肉としてのチキンカツをこれからも愛し続けたい。
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今週のお題「いい肉」